・アウランガバードは通り過ぎるだけではもったいない!
・空港からの市内へのアクセスは?
・実際に巡った街なか観光スポットをご紹介!
・穴場の石窟寺院とタージ・マハールのそっくりさん!
※2026年4月時点の情報
※1INR(インドルピー)=約1.7円
インド最大の都市、ムンバイから東に約350kmの場所にあるアウランガバードの名前を聞いたことがあるでしょうか?
この町は、ユネスコ世界文化遺産である、アジャンタ石窟寺院、エローラ石窟寺院へ行くための交通の中継地点として知られています。
そのため、2つの石窟寺院を見学したら、そのまま通り過ぎてしまう観光客がたくさんいるのですが、それだけではもったいない!
ということで、今回は、実は色々な見どころがあるアウランガバードについて、みなさんにご紹介していきたいと思います!
①はじめに:2大世界遺産の拠点「アウランガバード」とはどんな街?
インド・マハラシュトラ州に位置するアウランガバード(Aurangabad)。
インド旅行を計画する人にとって、この街は世界遺産である「アジャンタ石窟寺院」と「エローラ石窟寺院」へ向かうための絶対的な拠点、いわば「中継都市」として広く知られています。
しかし、単なる乗り換え地点として通り過ぎてしまうには、あまりにももったいない魅力が詰まった都市であることをご存知でしょうか?
1. 独自の歴史が息づく「観光首都」
アウランガバードは、マハラシュトラ州の「観光首都(Tourism Capital)」とも称される歴史ある街です。
街の名前は、17世紀にムガル帝国を統治した第6代皇帝アウラングゼーブ(Aurangzeb)に由来しています。
かつてはムガル帝国の南インド進出の重要な拠点となり、一時的には帝国の首都として機能した時期もありました。
そのため、街のいたるところにムガル帝国時代の壮大な建築や、イスラム文化の濃い面影が今も色濃く残っています。
ちなみに近年、政府によって公式名称が「チャトラパティ・サンバージー・ナガル(Chhatrapati Sambhajinagar)」へと変更されましたが、旅行者の間では今でも「アウランガバード」の名で親しまれています。
ただし、飛行機に乗る際の電光掲示板の案内はアウランガバードではなく、チャトラパティ・サンバージー・ナガルであることが多いので、搭乗の際は要注意です!
2. 多くの旅人が素通りしてしまう現実
世界中からやってくるバックパッカーや観光客の多くは、空港や駅からそのまま2大世界遺産(アジャンタ・エローラ)へ直行し、街のなかに目を向けることなく次の都市へと旅立ってしまいます。
ですが、アウランガバードの市内(およびそのすぐ周辺)には、本家タージマハルにそっくりな美しい王墓や、静寂に包まれた独自の石窟寺院など、半日から1日あればサクッと周れる見事な見どころが凝縮されているのです。
今回は、2大世界遺産へ行く前後にぜひセットで訪れてほしい、アウランガバードの「街なか」にスポットを当てて、実際のアクセスやおすすめ観光地を徹底解説していきます!
②空港からのアクセス:アウランガバード到着から市内への移動
アウランガバード観光の玄関口となるのがアウランガバード空港(チカルサーナ空港)です。
この空港は規模としては比較的コンパクトで、構造も非常にシンプルです!
飛行機を降りてから空港の外に出るまでは、迷うことなくスムーズに移動することができます。



1. 市内中心部への距離感
空港からアウランガバードの市内中心部(主要なホテルが集まるエリアや中央駅周辺)までは、西へ約10km前後の距離にあります。
車での移動時間は、道路の混雑状況にもよりますが約20分〜30分程度と、非常にアクセスしやすい立地なのが嬉しいポイントです。
2. 空港からの主な移動手段
アウランガバード空港に到着するとバゲージクレームを過ぎた右側にプリペイドタクシーの会社があります。
今回は、Uberなどの配車アプリで車がつかまらなかったため、少し値段は高いですが安全面では1番無難なプリペイドタクシーを利用しました。
町の中心部のセントラル・バス・スタンドまで600INR(1,020円)でした。昨今の原油高で少し値段が上がったようです。仕方ないですね。
お支払いをすると行き先と車のナンバーが書かれた紙のレシートをもらいますので、そちらを持って外へ向かいましょう。
到着ターミナルの外で紙をレシートを見せながら歩いていると、すぐに運転手に話しかけてもらえますので、案内された車に乗って市内へ出発しましょう!



ちなみに、タクシー等でのトラブルは北インドと比べると中央インド&南インドはとても少なく、非常に快適に旅ができます!
初めてのインド旅行の場合、どうしてもインドっぽい有名な見どころがたくさんある北インドに行く人がほとんどですが、そこで嫌な経験をして「もうインドには来ない!」となってしまう人が残念ながら本当にたくさんいます!
とても魅力的な国ですので、それではもったいないですし、インド初心者の方へは特にこの中央インド&南インドをインドの登竜門として訪れることをオススメします!
③実際に巡ったアウランガバード市内の観光スポット
アウランガバード市内の観光はタクシーや徒歩で周って、半日から1日で見学することが可能となります。
魅力的なアウランガバードの観光スポットについて、1つ1つご紹介をしていきます!
1. アウランガバード石窟寺院(Aurangabad Caves)
街のすぐ北側の丘陵地(シヒャーチャル連山)にひっそりと佇む、6世紀〜7世紀頃に掘られた岩切仏教石窟寺院群(窟院)です。
アジャンタやエローラという世界遺産の影に隠れがちですが、ここには初期のヒーナヤーナ(上座部仏教)からマハーヤーナ(大乗仏教)、さらにはヴァジュラヤーナ(密教)へと至る、インド仏教美術の過渡期・進化の歴史がギュッと凝縮されています!
特に第7窟にある見事な彫刻(踊る踊り子と音楽家たちのレリーフ)は美術的価値が極めて高いことで有名です。
観光客が少なく静かな環境でじっくり石窟と向き合えるほか、高台にあるためアウランガバードの街を一望できる隠れた絶景スポットでもあります。
Central Bus Stand周辺からであれば、オートリキシャで100IDR(170円)前後、タクシーで200IDR(340円)前後で行くことができます。
5kmほど市内から離れた小高い丘にあり、往復徒歩ですとかなり遠いので少なくとも往路か復路のどちらかはオートリキシャやタクシーを利用しましょう。
石窟寺院へ進んでいくと看板のあるT字路に出ます。そこには左側が第1〜5窟、右側が第6〜10窟と書かれています。

左右両方の石窟の入り口は1kmほど離れており、どちらでも左右共通の入場チケットを購入できます。
なお、どちらにもトイレがあります。右側のトイレはT字路よりの場所です。

入場料は300IDR(510円)となります。左右の入り口、どちらでも購入できますが、私は左側で購入し、右側に入るときにだけ、チケットのQRをスキャンされました。




左側は1番奥が第1窟で、数字順に並んでおり、入り口から1番近い石窟が第5窟です。現在、第1窟へ続く階段が通行不可になっているため、見学はできません。


左側の石窟の中では、第2窟のファサードとストゥーパ、第3窟の柱の装飾の美しい僧院が見どころではないでしょうか。






右側の石窟では、彫刻(踊る踊り子と音楽家たちのレリーフ)の美しい寺院の第7窟が有名です。個人的には第10窟の岩の天井を支える柱がほぼ破損しており、今にも倒壊しそうで少し気になりました…
T字路にお水などが売っている商店がありますので、もし持っていない場合は、ここで購入しましょう。





2. ビービー・カ・マクバラー(Bibi Ka Maqbara)
町の中心部とアウランガバード石窟寺院のちょうど真ん中あたりにある、どこかで見たことがあるような建築物がビービー・カ・マクバラーです。
ムガル帝国の第6代皇帝アウラングゼーブの息子(アザム・シャー)が、最愛の母(ディルラス・バヌ・ベグム)を偲んで17世紀後半に建設した壮大な大霊廟です。
最大の特徴は、世界的に有名な「タージマハル」に驚くほどそっくりなその姿。
実は、タージマハルを設計した建築家の息子がデザインを手がけており、「ミニ・タージマハル」や「デカンのタージ」という愛称で親しまれています!
本家(大理石を全面に使用)に比べると予算の関係上、漆喰が多用されているなど細かな違いはありますが、4本のミナレット(尖塔)と白亜のドームが美しい庭園に映える、アウランガバードで最もフォトジェニックな名所です!
入場料は300IDR(510円)です。チケットカウンターが少しわかりづらいのですが、入り口を正面に見て、後方右手にチケットカウンターに続く門があり、そこを進んでいくと正面左手にチケットカウンターがあります。右手にはトイレもあります。
チケットカウンターに続く門の近くに「Booking Counter→」という看板がありますので、目印にしてください。



トークン式のチケットで、入り口でスキャンして入ります。帰りもトークンが必要になりますので、無くさないように気をつけてください。


中に入ると、そのままズバリ、タージ・マハルそっくりの建物が、これまたそっくりなアングルで目の前に見えます!


廟の中にも入ることができ、中に入って下に見えるのが大理石でできた墓です。
大理石はこの墓とドーム部分にのみ使われており、それ以外は、漆喰などでタージ・マハルにそっくりに作り上げているとのことです。


場所的にも市内とアウランガバード石窟寺院の真ん中に位置しているので、アウランガバード石窟寺院とセットで観光すると効率が良いと思います。
次にご紹介するパーン・チャッキーにも徒歩でも行けるくらいの距離ですので、3ヶ所を一気に見学することも可能です。
3. パーンチャッキー(Panchakki)
アウランガバードの市内中心部にある、17世紀初頭(ムガル帝国時代)に造られた歴史的な「水車小屋(水力製粉所)」の遺構です。
Central Bus Standから徒歩で20分ほどで到着できます。
当時、この地で暮らしていた高名なスーフィ教(イスラム神秘主義)の聖者(ババ・シャー・ムサフィール)やその巡礼者たちの食糧(小麦粉)をまかなうために建設されました。
約8キロメートル離れた山の上にある水源から、緻密な計算に基づいた地下の粘土管(サイフォンの原理)を使って水をここまで引き込み、その水圧の勢いで巨大な石臼を回して穀物を挽くという、古代インドの見事な水利工学・科学技術を現代に伝える貴重なスポットです!
敷地内には美しい池やモスク、ムガル帝国のアウラングゼーブ帝の師匠のムザーファルの霊廟なども併設されており、どこか心落ち着く空間が広がっています。
入場料は100IDR(170円)で、入り口の門の左側にチケットカウンターがあります。
中に入って、少しお土産屋さんの立ち並ぶ一角を進んでいきます。



名前となっているパーンチャッキーとは水車場のことで、入り口を入って左手すぐにあります。池を挟んで対岸には樹齢600年の立派なバンヤンツリーがあります。




中はパーンチャッキーだけではなく、もう少し進むと1番奥にはイスラム教のモスクがあります。


④まとめ
今回は、普段アジャンタとエローラの通過地点として通り過ぎてしまいがちなアウランガバードの市内観光について、ご紹介させていただきました!
アジャンタやエローラに行く時間がない人でも石窟寺院を楽しむことができますし、タージ・マハールにそっくりな廟を見学することもできます!
そんな魅力的なアウランガバード、ぜひとも皆さんも訪れてみてください!アジャンタやエローラではたくさんの外国人観光客がいましたが、アウランガバードの町中ではほとんど見かけませんでした。
そんなのもったいない!と思います。
最後に、実際にアウランガバードを訪れた感想を簡単にまとめていきたいと思います!
- 北インドと比べるとしつこい客引きもいないし、だましてくる人もいない!
- ラジャスターン風のターリー屋さん、キレイでおいしかった!
- アウランガバード石窟寺院、訪れる人が少なくて、ほぼ独り占め!
- Central Bus Standはもうちょっと行き先の看板とか出して分かりやすくしてほしい!
- 町の至る所に立派な門があって、散策がとても楽しい!

