・アユタヤはどんな場所?歴史と見どころをざっくり解説
・バンコクからのアクセス方法は?一番簡単な行き方を紹介
・自転車を借りて出発!アユタヤ遺跡を気ままに巡ろう
・見逃せない!押さえておきたい壮大な遺跡群
・見どころは遺跡だけではない!日本人村跡に想いを馳せる
※2025年7月時点の情報
※1THB(タイバーツ)=約5円
2025年現在、タイ国内にいくつの世界遺産があるかご存知でしょうか?現在、文化遺産5つ、自然遺産3つの合計8つの世界遺産が存在します。
アユタヤもその中の文化遺産の1つとして登録されており、タイではスコータイ遺跡などとともに、1991年に最初に登録された世界遺産でもあります。
世界遺産、と聞くとなんだか実際に現地に行きたくなる!という人も多いのではないでしょうか?アユタヤは首都のバンコクからも近く、タイの中でも1番観光客が訪れやすい世界遺産であるといえます。
今回は、気軽に訪れることができる世界遺産の遺跡がある都市、アユタヤについて、ご紹介していきたいと思います。
①アユタヤは何がすごい?町の特徴や歴史についてご紹介!
あまりイメージがないかもしれないのですが、実はアユタヤは島なんです!実際に行ってみても島という感じに見えないし、言われないと気がつかないかもしれませんが、れっきとした島で周りを川や運河で囲まれた町となっております。
対岸との距離もほとんどありませんし、たくさんの橋で周辺の場所と繋がっているので、ほとんど陸続きと同じような感覚ではあるのが現状です。
ただ、昔はこの島の部分に王朝の都が築かれ、その島の周辺部分にいろいろな国から来た住民が住む、中世のコスモポリタン都市だったんです!日本人もたくさん住んでいたというから驚きです!
アユタヤに都を置いたアユタヤ王朝は、14〜18世紀の約400年に渡り権勢を誇った国家でした。チャオプラヤ川から海を経由して世界中と貿易をし、ヨーロッパでも「シャム」という国名で知られていました。
貿易が盛んであったため、いろいろな国の人が移住をし、ポルトガル人村や中国人村、オランダ人村などとともに日本人村も形成されました。宗教では現在のタイと同様に上座部仏教を信仰し、町中の各地に寺院を建てていきました。
現在、観光客がアユタヤで楽しむことができるものは、ほぼ全てこの時代にできたもので、ワット・プラ・シー・サンペットやワット・マハータートなどを代表とする寺院群や日本人村の跡地などがあります。これらの詳細については次項以降でご紹介をさせていただきます。
②アユタヤへのアクセスはミニバスのロットゥーの利用がオススメ
前述したとおり、アユタヤはバンコクから近く、簡単に訪れることができる世界遺産の都市です。個人的には宿泊しての観光をオススメしますが、頑張ればバンコクから日帰りでの観光も可能ですので、滞在日数に制限がある方などでも訪問をご検討いただけるかと思います。
アユタヤへはバンコクの北バスターミナルからミニバスのロットゥーを利用していくことが可能です。北バスターミナルは、英語でNorth Bus Terminalと言うよりも、現地では「モーチット」(Mo Chit)という呼び名の方が一般的となっており、タクシーなどの運転手にも通じます。
最寄りの駅は、BTSスクンヴィットラインのSaphan Khwei駅です。駅からは配車アプリのBoltで60THB(約300円)で約10分で到着します。配車アプリでbus terminalと打つといくつか出てきますが、Mochitという名前のものを選んでください。
※重い荷物がなければ、バイクタクシーであれば30〜40THB(約150〜200円)でいくことが可能です
※配車アプリはGrabも利用可能ですが、タイではBoltの方が安価であることが多いです
ただし、ここでよく起こる間違いがあるのですが、アユタヤ行きのミニバスはモーチット(北バスターミナル)からは出ていません。ここは中長距離の大型バスが集まるターミナルとなり、ミニバスのターミナルは別にあります。
ミニバスはモーチット2(Mo Chit2)という名前で知られており、モーチットから移動する場合は、歩道橋を渡って大通りをまたいで、300m程度右側に進むとモーチット2の入り口があります。
モーチット2ではチケット売り場がAからDまで4つに分かれています。AとBがバスターミナル入り口の左側、CとDが右側となります。アユタヤはチケットブースがBです。他に旅行者がよく使う路線としてはカンチャナブリーがありますが、カンチャナブリーはDとなっています。
トイレはいくつかありますが、2025年7月現在ではAに近いトイレ以外は全て利用ができなくなっていました。
アユタヤまでの料金は70THB(約350円)で、所要時間は約1時間半となっています。支払いは現金のみです。ミニバスの便はほぼ毎時出ており、毎日頻発しています。
アユタヤでは町の中心街であり、島の東側のNaresuan Road沿いに到着します。帰りもここから乗車が可能です。
バンコクの南バスターミナル行きのミニバスもあるようですが、1日4便のみと利便性は良くありません。








③アユタヤ観光はレンタサイクルがオススメ!
個人でアユタヤ観光をする場合、徒歩、自転車、バイク、配車アプリ利用などなどたくさんの選択肢がありますが、個人的にはレンタサイクル一択です!
アユタヤの観光地は、ほとんどが島内の西側に固まっており、少し離れた場所にある日本人村やワット・プーカオ・トーンなども、中心部から30分ほどサイクリングすると到着できるような距離感で、自転車で周るのに最適な環境になっています。島には内周部分にU-Thong Roadという道がぐるっと周回しており、1周しても1時間から1時間半程度でちょうどいいサイクリングも楽しめます。
レンタサイクルはNaresuan Soi 1という通り沿いにある、T.W.T tour with Thaiという旅行会社がきちんとメンテナンスもされているため、オススメです。
料金は1日60THB(約300円)で、支払いは現金のみで、サインのみで借りられます。アユタヤ市内には他にも何店舗かレンタサイクルができる店があり、料金が安いところもありますが、メンテナンスが悪かったり、パスポートを預けないと借りれなかったりするため、オススメしません。
お店は朝8時から19時まで開いてますので、朝早くの涼しい時間帯に出発することをオススメします。
宿泊する場合は、ホテルでも借りられることが多いです。
④ここだけは抑えたい!オススメ遺跡をご紹介!
アユタヤ市内には、それこそたくさんの遺跡がありますが、ここだけは見て欲しい!と思う遺跡を厳選してご紹介いたします。実際に私が自転車で回った順にご案内させていただきますので、同じ順番で回ると効率的かと思います。なお、アユタヤの観光地のチケットの購入は全て現金のみです。
近年いろいろな変更があり、最新のガイドブックの情報から変更されている点は下記の通りです。
・ほとんど全ての場所の入場料が値上げされています
・入場無料と書かれている場所も入場料が発生します
・割安だった6寺院共通入場券が廃止されています
A. ワット・プーカオ・トーン(Wat Phu Khao Thong)
アユタヤ市内中心部から自転車で30分程度かかる、市内から北西3kmの場所にあります。アユタヤの観光地の中でも1番遠くに位置する寺院遺跡です。
入場料は20THB(約100円)です。名前の「黄金の山」という意味でもわかるように非常に高いチェーディー(仏塔)です。
その高さは80mあり、上の方まで登ることができるので、夕方になるとサンセットを見る観光客で賑わいます。高いチェーディーは遠くからも見ることができ、場所によっては市内からでも見える場所もあります。
少し不便な場所にあるため、見逃されがちなのですが、個人的に非常にお気に入りの遺跡で、オススメです!ぜひ訪れてみてください!




B. ワット・ローカヤースッター(Wat Lokayasutha)
今回、このオススメの項目に載せようか1番迷ったのがこのワット・ローカヤースッターでした。なぜなら、すごくお気に入り”だった”場所だからです。
ただ、アユタヤ遺跡の中で知名度が比較的高いにもかかわらず無料で見学できる数少ない観光地のため、オススメ遺跡に残しておくことにしました。
ここは全長28mの巨大な寝仏が横たわっている、非常に見応えのある場所です。少し道が奥まっている場所にあるのですが、自転車であれば簡単にアクセスも可能です。
問題は、2024年に修復工事が行われたようで、不自然なくらい、あまりにもキレイになってしまっており、全然趣がなくなったことです。以前まであった悠久の時を感じるような色合いが完全に失われてしまいました。もちろん以前も修復を繰り返していたのですが、その修復も味わいや趣きを壊さない、上手いやり方でなされていたのですが…
皆様も実際に現地でご覧いただき、どう感じるかをお試しいただくと楽しいかと思います。



C. ワット・プラ・シー・サン・ペット(Wat Phra Sri Sanphet)
数多くの遺跡を有するアユタヤの中でも、町を代表する遺跡の1つがこのワット・プラ・シー・サンペットです。アユタヤを訪れたら、ここはマストで入場です!
入場料は80THB(約400円)です。入り口には無料で借りられる日傘もありますので、日差しが強い時はご利用ください。
遺跡内のたくさんの建築物は、ビルマ(現ミャンマー)の侵攻により徹底的に破壊されてしまいましたが、唯一残存しており、かつ保存状態のよい、カッコいいチェーディーが3基並んでいる姿は、”壮観”のひとことです!






D. ワット・プラ・ラーム(Wat Phra Ram)
ワット・プラ・シー・サン・ペットの近くにある、ワット・プラ・ラームはクメール様式の仏塔である巨大なプラーンが真ん中にドンッと立っている、カッコいい遺跡です。
入場料は80THB(約400円)です。こちらも多くの観光客がワット・プラ・シー・サンペットを見て、そのまま通りすぎてしまうことが多い遺跡なのですが、一緒に立ち寄っていただく価値があると思います。
近くにアユタヤ・エレファント・パレス(Ayutthaya Elephant Palace)というゾウに乗ることができる場所があり、たまにゾウが横の道を歩いている場面を見ることもあります。
遺跡内の池にはミズオオトカゲという、全長2〜3mにもなる巨大トカゲが住んでおり、運がいいと見ることができます!




E. ワット・マハータート(Wat Mahathat)
ワット・プラ・シー・サンペットと並びアユタヤを代表する遺跡です。入場料は80THB(約400円)です。ここも入り口に無料の日傘の貸し出しがありますので、必要な方はご利用ください。
ここはなんといっても、木の根に取り込まれている仏頭が有名です。もしかすると想像しているよりもサイズ感は若干小さいかもしれませんが、なにか不思議な、荘厳なオーラをかもし出しています。
この仏頭は入口右側すぐにあります。目の前には台があり、座って祈る専用の場所となっております。他にも非常に保存状態のいい仏像がありますので、非常に見応えのある遺跡となっております。




F. アユタヤ日本人村(Ayutthaya Japanese Village)
遺跡ではありませんが、アユタヤの観光地で1番お気に入りの場所が、この日本人村です。もともと16〜17世紀にかけて1,000〜8,000人(諸説あり)の日本人が住んでいた日本人村の跡地に建てられた、博物館兼日本文化発信基地です。日本人村の痕跡自体は全然ないものの、非常に満足度の高い観光地です。
市内の南東部の少し中心から外れた場所に位置しており、入場料は50THB(約250円)です。園内には至る所に日本語の表記があり、分かりやすいです。係の女性も巫女さんのような衣装を着ており、日本の雰囲気をかもし出しています。
現地の観光客用であろう、浴衣や着物にコスプレできるサービスがあったり、ゴミ箱にワンピースのローやボア・ハンコックが描かれていたりします。
展示室が入り口から見て左右に一つづつあり、展示以外にも日本語で動画の上映がされています。チャオプラヤー川沿いには日本人村の長であり、アユタヤ王朝でも立身出世をした山田長政の像があります。
山田長政像の近くでは雄大&感傷的な音楽がずっと流れており、1600年ごろにこの辺に住んでいた日本人の人たちがどんな人生だったのか、どんな苦労をされていたのかと思いふけってしまいました。








⑤まとめ
今回はアユタヤの歴史、アクセス方法、おすすめの観光地をご紹介させていただきました。アユタヤは遺跡のイメージが非常に強いのですが、私の1番お気に入りの観光地は日本人村です。
特に昔の痕跡が残っているわけではないのですが、訪れるたびに村の奥にあるチャオプラヤ川を見ながら、物思いにふけると、約400年前にこの地で生きた日本人の方々はどのような人生だったのだろう、きっと思いもよらない苦労の連続だったのだろう、と勝手に想像を膨らませてしまうんですよね…
あとは単に遺跡を観光するだけでなく、自転車で風を切って遺跡の中を進めるのもとても気持ちがよく、気分転換にもなります!
時間が許すようであれば、日帰りではなく、ぜひ宿泊をして、ゆっくり、じっくりアユタヤを味わっていただければうれしいです!