・世界でここだけ!唯一無二の絶景に心奪われる
・迷って楽しい!迷宮都市ヴェネツィアを歩く
・ゴンドラに乗る?乗らない?年々値上がりするゴンドラ事情
・物価激たか都市、ヴェネツィアでは安くて美味しい「バーカロ」はいかが?
※2025年6月時点の情報
※1EUR(ユーロ)=約170円
水の都ヴェネツィア、響きもロマンティックで一生に一度は訪問したい!と思っている人も多いのではないでしょうか?
世界的な有名観光地がたくさんあるイタリアの中でも、ヴェネツィアの存在感や唯一無二の景観は一線を画していると思います。
そんな憧れの観光地ヴェネツィアですが、物価もイタリア国内の他の都市と比べるととても高いですし、ほとんどの人が他の都市から移動してくることが必要となります。
今回はヴェネツィアの観光情報をご案内するとともに、ヴェネツィアまでのアクセスについて、物価の高い中、どんなところで食事をするのがおすすめか、などの情報をご紹介していきたいと思います。
①ヴェネツィアへのアクセス
ヴェネツィアには空港がありますが、基本的には国内線もしくは国際線の近距離線が主の空港であり、日本からの直行便もありませんので、あまり利用する方はいらっしゃらないかと思います。
大抵は電車でヴェネツィアの玄関口のサンタ・ルチア駅(Venezia Santa Lucia)に到着する方が多いのではないでしょうか。実はこの駅ですが、世界中の鉄道駅の中でも個人的に一番素敵な駅だと思っています。電車で到着して駅を出ると目の前に、想像していた通りのヴェネツィアの風景が広がっています!
今回、私はミラノ中央駅からヴェローナ経由でヴェネツィア・サンタ・ルチア駅に移動しました。特急ですと2時間半で乗り継ぎ不要で直接ヴェネツィアに到着できるのですが、特急等の有料列車を利用しなくても3時間半で到着でき、かつ費用も1/3程度で済むため、特急を使わずに移動しました。
ミラノからヴェネツィアへは特急を使わない場合、22.15EUR(約3,800円)で乗車券が購入できます。
所要時間はミラノからヴェローナへは2時間、ヴェローナからヴェネツィアへは1時間半で到着します。ヴェローナでの乗り継ぎが5分しかなかったのですが、2分ほど余裕を持って乗り継ぎができました。ヴェローナで降りる人の半分以上がヴェネツィア行きに乗り継ぎ旅行者で、基本的には彼らの後を追えばヴェネツィア行きの電車に辿り着くことができます。
ミラノからヴェローナの電車は空いていましたが、ヴェローナからヴェネツィアへの電車は満席でした。基本的にヴェネツィア発着の電車は非常に混雑してますので、乗車駅が始発なのであれば、早めに駅に到着するなどの注意が必要です。
ただし、イタリアの電車は出発する10〜20分前くらいにならないと発着のプラットフォームが案内されないことが多いので、あまりに早めに行っても意味がないかと思います。






②徒歩観光がおすすめ!迷宮都市ヴェネツィアを散策しよう!
水の都として有名なヴェネツィアですが、本島への車の乗り入れは禁止されています。理由としては、
- 環境保全や景観保全のため
- 本島を構成する旧市街は、狭い道と運河で構成されており、車が通行できるスペースがそもそもない
という理由があります。そのため、レンタカーで訪問される方は本島に渡る前のヴェネツィア・メストレ(Venezia Mestre)の駐車場で駐車の上で、電車で本島まで移動する必要があります。
本島内での移動は徒歩が基本となり、水上バスであるヴァポレット(Vaporetto)や観光で人気のあるゴンドラなどに限られています。


ちなみにヴェネツィアは迷路のような都市だとよく言われています。私も今まで5回ほど訪れておりますが、それでも道を覚えることができないくらい、入り組んだ構造になっています。
個人的にはモロッコのフェズという町と並んで、最大の世界の迷宮都市の一つではないかと思っています。現在はGoogle mapなどのアプリも利用できるので、以前と比べると散策の難易度は下がりましたが、それでもやはり迷ってしまうのがヴェネツィアではないか、と感じています。
道が複雑というと、そんなところを散歩することができるのか?と思われる人もいらっしゃるかと思いますが、ところどころに道案内の看板が出ていますし、治安の悪い場所もないですし、基本的には人で溢れているので、特に散策に問題はないかと思います。
こんな散策が楽しい景観が広がる迷宮都市なんて、世界中を探してもなかなかありませんので、水上バスに乗るのも楽しいですが、是非お散歩を楽しんでほしいと思います!
ヴェネツィアにはお土産屋がたくさんあり、ウィンドウショッピングも楽しいと思います。基本的には品揃えはどの店もあまり変わらない、という印象ですが、同じものでも驚くくらい値段が違っています。
傾向としては大きな主要な通り沿いの土産物屋よりも路地に入った裏側にあるようなお店の方が値段が安いことが多い印象です。例えば、仮面を甥のお土産に買おうと思ったのですが、サン・マルコ広場近くのお土産屋で50EUR(約8,500円)のものが、路地裏のお土産屋で18EUR(約3,000円)で購入することができました。
③海と運河と歴史と芸術!魅力的な観光地巡り!
散策すること自体が観光、と言っても過言ではないヴェネツィアですが、島内には魅力的な観光地もひしめいています。海と運河で彩られた、歴史と芸術を感じる場所にも足を運んでほしいと思います。
主要な観光地のご紹介は下記の通りです。
・リアルト橋(Ponte di Rialto)
ヴェネツィアには約400ほどの橋があると言われていますが、その中でも一番有名で一番人気があるのが、このリアルト橋ではないでしょうか。
本島の至るところにサン・マルコ広場とリアルト橋の道案内の標識があるという事実からも、このリアルト橋のヴェネツィアの中での価値がわかるのではないでしょうか。
橋には真ん中と両端の3つの道があります。真ん中が商店が並んでおり、両端の道には橋からの眺めを見る観光客でいつもごった返しております。
橋の下の横の道などから写真を撮る人が多いですが、いい写真を撮りたいため、運河ギリギリまで行って撮影している方が多いので、写真を撮る際は運河に落ちないようにご注意ください。


・サン・マルコ広場(Piazza San Marco)
細い路地をひたすら抜けていくと、急に視界がパッと広がり、明るくなる場所があります。そこが有名なサン・マルコ広場です。
このサン・マルコ広場はヴェネツィアの中心的な場所となっており、ヴェネツィアを訪れたほぼ全ての観光客が訪れる場所ではないでしょうか。
狭い路地が連なるヴェネツィアにおいて、とても広い広場の周辺には見どころがたくさんあります。広場に出ると前方に高い尖塔が見えてきます。この尖塔は鐘楼(Campanile)と呼ばれ、広場のランドマークとなっています。
広場前方にはサン・マルコ寺院が威風堂々と建っています。その横にはアドリア海が広がっており、広場、鐘楼、寺院、海が織りなす景色は、「これぞヴェネツィア!」というような絶景で、ヴェネツィアのイメージとして思い浮かべる景色かと思います。
広場には由緒正しいカフェがたくさんありますので、このへんで散策で溜まった疲労を回復するのもよろしいのではないでしょうか?
特に有名なのは1700年ごろに開業した老舗のカフェ・フローリアン(Caffe Florian)というカフェです。お値段はかなり高いですが、サロンの内装の素晴らしさも有名ですので、観光の一つと割り切ってご利用いただくのもよいかと思います。
今回は3人で利用し、コーヒー2つとパフェを1つ頼んで、コペルト(イタリアのテーブルチャージ)22%と演奏チャージ6EUR(約1,000円)で合計74EUR!!(約12,500円)でした。


・サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)
サン・マルコ広場に面している、このサン・マルコ広場もヴェネツィア観光の目玉とも呼べる観光地です。9世紀に聖人サン・マルコの遺体を納めるために建てられたと言われる由緒正しい、歴史ある寺院となります。
入場料は3EUR(約500円)で入れますが、2階部分の入場と博物館は別料金となり、7EUR(約1,200円)となり、合計で10EUR(約1,700円)が必要となります。
もう7EUR払うのももったいないな、と思う方もいらっしゃるかと思いますが、ここはぜひ追加料金を払ってでも、2階にいくことをおすすめします!2階から見る大聖堂の壁画や青銅馬像のオリジナル、丸天井のモザイクがも非常に素晴らしいです。
ただし、2階へはエレベーターなどはなく、急で狭い石の階段のみとなりますので、ご高齢の方などは注意が必要です。
ベランダから眺めるサン・マルコ広場やアドリア海と沖の島々の景色も絶景です!
極端な半ズボン、ミニスカートや袖なしのシャツの場合、係員に止められて入場ができませんが、それを隠すスカーフ等が近くの露店で5EUR(約850円)で購入できますので、必要な場合はご利用ください。





・溜息の橋(Ponte dei Sospiri)
アドリア海沿いの道を歩くとすぐにパリア橋(Ponte Paglia)から見えるのが溜息の橋です。ここは地下牢獄に繋がっている場所で、この橋を渡ると2度と戻ることができない、と言われていたことから溜息の橋と呼ばれています。
その奔放な女性遍歴から現代でも女たらしや女好きという意味の代名詞として使われることがある有名なカサノヴァがこの溜息の橋から脱獄をしたという逸話も残っています。
サン・マルコ広場からも5分ほどで行けるので、一緒に観光をすると効率がよいと思います。


④ヴェネツィア名物 ゴンドラ 乗る?乗らない?
ヴェネツィアといえば、ゴンドラに乗って観光というイメージが強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はこのゴンドラですが、物価の上昇とともに近年どんどん値上がりしており、個人的な感覚ですが残念ながら船頭さんのサービスについても以前と比べると水準が落ちてきたように思えます。
ゴンドラの乗船場はいくつかありますが、観光中に使いやすいのはサン・マルコ広場から溜息の橋にいく途中にあるアドリア海沿いの乗船場だと思います。
看板には90EUR(約15,000円)で30分と記載があるものの、物価上昇で値段が上がっており、記載の料金では無理とのこと。現状では90EURでは20分で運河には入らず外海を散歩して終わりとのこと。もし運河に入るのであれば、150EUR(約25,500円)で45分とのことでした。他の船頭に聞いても同じ回答だったため、今回は150EURで乗船。
以前はゴンドラに乗ると、カンツォーネを歌ってくれる船頭さんが多かったのですが、今回はカンツォーネのサービスはなし。自分たちの船頭さんだけが歌ってないのかと思ったものの、遊覧中にいくつものゴンドラとすれ違いましたが、カンツォーネが聞こえてくることは最後までありませんでした。
結果としては値段が上がり、サービスが低下しているゴンドラではありますが、それでもやはり運河の町ヴェネツィアを堪能するには必要な要素かと思いますので、乗るか、乗らないかは個々人のご判断でお決めいただくとよいかと思います。
実際に他の人が乗っているゴンドラを運河の橋から眺めるだけでもヴェネツィア感は感じれるかと思います。
⑤物価の安いヴェネツィア、食事はどうする?バーカロ一択でしょ!
今に始まったことではなく、昔からそうなのですが、ヴェネツィアの物価はイタリア国内でも一番高くなっています。特にホテルと食事の物価の高さが顕著で、同じ料金を払っても他の都市とヴェネツィアでは得られる満足度が全く違います。
食事に関しては食事代だけでなくコペルト(テーブルチャージ)も高く、味もあまり美味しいものがない印象でしたが、今回バーカロ(Bacaro、ヴェネツィア特有の立ち飲み屋)を何軒か利用して、その印象がガラッと変わり、非常に満足でした。
バーカロはいわゆる立ち飲み居酒屋で、ヴェネツィアにしかない文化です。それほど食べ物のレパートリーがあるわけではなく、いわゆるお魚系のカナッペタイプのおつまみが主で、1つ2〜4EUR(約350〜700円)と非常に良心的な値段になっています。
立ち飲み主体の居酒屋ですが、小さな運河沿いに夕方になるとテーブルを並べるお店も多く、座ってゆっくりお酒とおつまみを楽しむこともできます。
ローカルの人々との触れ合いも楽しめますし、他の食事に比べて安価で抑えられるため、せっかくヴェネツィアに来たのであれば、独自の食事文化も楽しんでいただければと思います。






⑥まとめ
今回は世界的な観光地のヴェネツィアの現在についてご紹介いたしました。通常の観光案内以外にも物価の高さやゴンドラの質の低下など、若干ネガティブな情報も含んでおりますが、良い面だけでなく、他の側面も紹介した上で、この魅力的なヴェネツィアという都市を楽しんでほしいと思いました。
何度訪問しても、やはり特別感というものを感じてしまう唯一無二の観光都市だと思っておりますし、今までヴェネツィアにお連れした方で満足しなかった人がいないくらい、いわゆる「外さない観光地」であると思います。
最後に紹介したバーカロについては、イタリア全土の食事を含めた中でもかなり満足度の高い食事だったと思いますので、ぜひ皆さんにお試しいただきたいと思います。