・アクセス抜群!ヴェローナへの便利な移動手段
・コンパクトだから効率的!見どころ満載のヴェローナ散策術
・永遠の愛の舞台へ!「ロミオとジュリエット」ゆかりの地を巡る
・古代ローマと中世の息吹を感じるヴェローナ
※2025年6月時点の情報
※1EUR(ユーロ)=約170円
ヴェローナという町はご存知でしょうか?もし町の名前を知らない人でもロミオとジュリエットのお話は聞いたことがあるのではないでしょうか?
このヴェローナはシェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台として有名です。しかし、ヴェローナの魅力はそれだけではありません。コンパクトにまとまった都市の中に古代ローマと中世イタリアを感じる観光地がひしめいており、アクセスも抜群な世界遺産の都市となっております!
今回はこの魅力的な小都市ヴェローナについて、ご紹介をさせていただこうと思います。
①抜群のアクセスを誇る世界遺産の都市ヴェローナ!ただし、クセのある荷物預かり所は要注意!
大抵の旅行者はミラノ、ヴェネツィアを観光して、フィレンツェやボローニャへ移動してしまうかと思います。もしくはフィレンツェからミラノやヴェネツィアへ北上する方も多いかと思います。
ヴェローナはミラノとヴェネツィアのちょうど真ん中あたりにあり、ボローニャやフィレンツェへと南進する線路上に位置するため、気づかないうちに通り過ぎてしまう観光客が非常に多いです。
でも、世界遺産に登録されていて、ロミオとジュリエットの舞台となり、古代ローマの遺跡が残り、中世イタリアの雰囲気を残す町を見ずに通り過ぎるなんて、もったいなさすぎると思いませんか?
主要な近郊都市からの移動時間は下記の通りです。
- ミラノ 普通…2時間、特急…1時間15分
- ヴェネツィア 普通…1時間半、特急…1時間
- ボローニャ 普通…1時間半、特急…50分
- フィレンツェ 特急…1時間半
ちなみに私は今回はヴェネツィアから普通でヴェローナに移動し、1泊してからフィレンツェへ抜けるルートで移動いたしました。
先ほどご紹介した都市からは日帰り観光も可能になりますし、例えばミラノからヴェネツィアへ移動する途中にヴェローナによって半日観光していく人も多いと思います。
ヴェローナで降りる駅はヴェローナ・ポルタ・ヌオーヴォ駅(Verona Porta Nuova)という駅となります。この駅の出口の左側には「Ki point」という荷物預かり所があり、そこで荷物を預けて半日観光に出かけることが可能です。この荷物預かり所はイタリア国内の主要駅にはほとんどありますので、ヴェローナ以外でも活用することが可能です。
ただし、システムが若干クセがあり、旅行者に不親切であるため、支払いには注意が必要です。
4時間で荷物1つにつき6EUR(約1,000円)、その後1時間ごとに1EURが加算されますが、預ける時に何時間預けるかを決めないといけなく、もし指定した時間より短くても返金はありません。
指定した時間より長くなった場合は、1時間につき4EUR(約700円)も加算されてしまう!!ため、事前に若干余裕を持った時間を指定した方が良いです。1分でも超過すると1時間分の超過料金が発生するとのことで、時間内に戻ってきても、荷物を受け取る人が多くて待っている間に時間が過ぎてもダメ、という謎ルールで非常に不親切です。ちなみに支払いは後払いです。
単純に荷物を預けた時間を記録した上で、戻った時の時間で換算してくれればいいだけなのに、なんで何時間いるかまだ分からない状態で帰りの時間を決めなければいけないのだろう?と非常に不思議に思いました…が、そういうシステムなので仕方がないですね…



②まずはヴェローナカードを購入しましょう!
ヴェローナカードは市内のバスが乗り放題となり、主要観光地が無料となり、慢性的に大行列になっているアレーナの入場時にファストパスが使えて、待ち時間なく入場できる素晴らしいカードです!
カードには2種類あり、24時間有効なカードは27EUR(約4,600円)、48時間有効なカードは32EUR(約5,400円)となり、最初に利用してから24時間、もしくは48時間となり、日付とはずれが生じますのでご注意ください。
観光客としてはヴェローナ・ポルタ・ヌオーヴォ駅に到着したら、目の前にあるバスターミナルから市内バスに乗って、1km強離れた旧市街に移動したいと思うのですが、なぜか駅では販売していないため、一度料金を通常通り支払ってバスに乗るか、徒歩でヴェローナカードの売り場である旧市街の入り口左側にある観光案内所まで移動しないといけません。
それでも観光地3〜4ヶ所を周ると元が取れてしまうため、市内観光をされる場合はヴェローナカードの購入をおすすめいたします。
③ロミオとジュリエットの舞台を堪能!あのバルコニーで写真を撮ろう!
ヴェローナといえば、やはり「ロミオとジュリエット」の舞台となった町として有名です!実は衝撃の事実なのですが、作者のシェークスピアはヴェローナを訪れたことがないそうです!
そしてロミオもジュリエットも創作された人物であり、実在はしていなかったとのことです…では観光地となっているジュリエッタの家やジュリエッタの墓(Tomba di Giulietta)は何なんだろう?という気持ちもないわけではないのですが、実際に訪れるとそんな思いも忘れてしまうくらい楽しんでしまいました!
・ジュリエッタの家(Casa di Giulietta)
ジュリエッタの家はアレーナ(Arena)と並び、ヴェローナ観光の目玉の1つとなっています。旧市街の入り口であるブラ広場(Piazza Bra)から北に向かい、エルベ広場(Piazza di Erbe)を右に曲がって50mほど先、左手にジュリエッタの家があります。
ヴェローナカードで無料で入場ができます。観光客は女性が大半を占めているかなという印象です。
ヴェローナカードで無料で入場するにしても、チケットを現地購入して入場するにしても、入場の際に必ず公式ホームページで名前やメールアドレスなどを登録しないといけません。
ほとんどの人が現地でQRコードから登録しているため、ネット環境があることが前提になっています。入り口の中庭はQRで入場登録している人と、有名なベランダの写真を撮っている人と、ジュリエッタの銅像の写真を撮っている人で、絶えずたくさんの人でごちゃごちゃになっています。
ジュリエッタの銅像は右胸を触ると恋が実り、左胸を触ると財産が増える、という伝説があるようで、絶えずたくさんの女性が胸に触って、写真を撮ってと入れ替わり立ち替わり押し寄せてきます。
ジュリエッタの部屋のベランダは列に並べば出ることが可能です。混み具合にもよりますが15分ほどでベランダに出ることができます。
ベランダにいる写真を撮りたい場合は、同行の人に入口手前の中庭に待っててもらうか、ジュリエッタの家の3階か4階部分に覗き窓があるので、そこからも撮影が可能です。
ジュリエッタの家はベランダ以外は博物館になっており、家具や服など色々なものが展示されており、楽しく見て回ることができるようになっています。








・ジュリエッタの墓(Tomba di Giulietta)
ジュリエッタの墓は若干他の観光地から離れており、旧市街の南東に位置しています。こちらもヴェローナカードで無料で入場ができます。ジュリエッタの家と比べると立地条件の影響もあるかもしれませんが、観光客が少なくひっそりとした印象を受けます。
中は博物館が設置されており、ジュリエッタの墓は地下にあり、地下は少しひんやりとします。中庭もきれいですので、見学後に少し休憩をしても気持ちがいいかもしれません。




④古代ローマと中世イタリアを感じる観光地を巡る
ヴェローナの町はロミオとジュリエットのみの観光地ではありません。
古代ローマからほぼ完全な形で残っている町のシンボルのアレーナや中世の雰囲気が今も残る広場やお城など色々な観光地が存在します。
今回はその中の代表的な観光地をご紹介いたします。
・アレーナ(Arena)
門をくぐり旧市街に入ると目の前にブラ広場とアレーナの勇姿が目に入ってきます。
アレーナは円形闘技場として建築されたものでローマのコロッセオよりも小型ではあるものの、1世紀にできた建築物にもかかわらず保存状態が素晴らしく、ほぼ原型をとどめた完全な姿で残されているという、とても貴重なものです。
数おおく観光地が存在するヴェローナの中でもシンボル的な建物で市民からも長年親しまれています。
アレーナでは繁忙期の6月から8月の夜にオペラが開催されるため、興味がある場合は、ネット上で購入して見学をすると、とてもよい旅行の思い出になるのではないでしょうか。
アレーナのあるブラ広場はでも一番たくさん飲食店の集まるエリアですので、ここでランチや休憩を取るのもよいかもしれません。
入場の列はいつも長蛇の列なのですが、ヴェローナカードを持っていると列に並ばずにファストレーンから待つことなく入場が可能ですので、その意味でもヴェローナカードは便利だと思います。
円形劇場内は階段を登って上まで上がれますので、上からの景色や街並みを眺めるのも楽しいです。若干石の階段の段が大きい箇所もありますので、ご高齢の方などは注意が必要です。
1階には無料のトイレがありますので、出発前にご利用いただくとよいと思います。







・エルベ広場(Piazza di Erbe)とシニョーリ広場(Piazza di Signori)、スカラ家の廟(Arche Scaligere)
エルベ広場とシニョーリ広場は縦に並んでおり、エルベ広場にはマーケットが広がっています。お土産も売っていますが、市内のお土産屋より若干高めになっています。
品揃えは基本的に同じですので、お土産を買う際は別の場所で買われることをオススメします。
シニョーリ広場はスカラ家にまつわる観光地に囲まれた立地となっております。広い割にはエルベ広場よりも人の出はそれほど多くなく、ひっそりしているような印象です。
スカラ家の廟もヴェローナカードで無料で入場ができます。中に入ると受付係の方から複数あるお墓の案内図を無料でもらえます。





⑤まとめ
今回はヴェローナを紹介いたしました。世界遺産の都市であり、ロミオとジュリエットの舞台でもあるにもかかわらず、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェという近郊の世界的観光都市の影に隠れてしまいがちな存在であるヴェローナですが、とても満足度の高い町なので、ぜひ皆さんにも訪れてほしいと思っています。
ロミオもジュリエットも実在しない、と言われてしまうと若干ズッコケてしまいますが、逆に空想の登場人物にも関わらず、ジュリエッタの家などは市内でも屈指の人気観光地になっていたりするので、町としての工夫や広報活動もすごいのだろうな、と変な感心もしてしまいました。
通り過ぎられてしまいがちな町ですが、ぜひ途中下車の旅をお楽しみいただければと思います!