・ルンビニとは?仏教の四大聖地を巡る旅の基礎知識
・温暖な気候が快適!ルンビニとネパール主要都市との気候比較
・観光エリアは徒歩で巡れる!ルンビニ観光の理想的な回り方
※2025年11月時点の情報
※1NPR(ネパールルピー)=約1.1円
※1USD(アメリカドル)=約150円
仏教の四大聖地というものを聞いたことがありますでしょうか?エベレストなどのヒマラヤ山脈のイメージが強いネパールですが、実は仏教の四大聖地の1つがインドとの国境に近い、西部ネパールのルンビニにあるんです!
個人的に、◯大◯◯みたいにうたわれているとすごく気になって興味がわいてきます!
今回は、仏教の四大聖地の1つであるルンビニについて、ご紹介していきたいと思います!近隣の空港からのアクセス、遺跡や寺院の観光方法などについてもご案内していきますので、ルンビニに訪れる際の参考にしていただけるとうれしいです!
①仏教の四大聖地ってどこ?なぜ聖地なの?
本題のルンビニについて、ご案内をする前に、そもそも仏教の四大聖地ってどこなのか?なぜそこが聖地と言われているのかを簡単にご紹介していきたいと思います!
仏教はもともと約2,500年ほど前に、現在のインドで生まれた宗教です。今でも広く東アジアから東南アジア、南アジアで信仰されています。
その中で、昔から四大聖地として信者から崇められている地が、インドに3ヶ所、ネパールに1ヵ所あり、それらをまとめて「仏教の四大聖地」と呼ばれています。
この仏教の四大聖地をブッダ(Buddha、仏陀)の人生の中でのイベント順にご紹介をしていきます。
ちなみにブッダの本名はゴータマ・シッダールタ(Gautama Siddhartha)と言い、ブッダは「目覚めた者」という意味で、悟りを開いた人を指す尊称であり、日本語のお釈迦様はゴータマ・シッダールタの出身部族である釈迦族で悟りを開いた人を指し、全て同じ人を指した言葉です。
今回の記事では、呼称を「ブッダ」で統一してご紹介していきます!
仏教の四大聖地
- ルンビニ(Lumbini) ネパール…ブッダが生まれた場所
- ブッダガヤ(Bodh Gaya) インド…ブッダが悟りを開いた場所
- サールナート(Sarnath) インド…ブッダが初めて教えを説いた場所
- クシナガル(Kushinagar) インド…ブッダが入滅された場所(亡くなられた場所)
つまり、今回紹介するネパール唯一の仏教の四大聖地であるルンビニは、ブッダが生まれた場所という、とても仏教にとって象徴的な場所なんです!
次項ではまずはルンビニへのアクセスについて、簡単にご紹介していきたいと思います。主要な交通手段としては、バスと飛行機がありますが、今回、私は飛行機を利用してカトマンズから訪れましたので、最寄りのバイラワ空港(Bhairahawa Airport)からのアクセスについて、ご紹介していきます。
カトマンズからバイラワまでの移動に利用したイエティ・エアラインズについては、下記のリンク先の記事でご紹介しておりますので、ご興味のある方は、ご参照ください!
②ルンビニの最寄り空港、バイラワ空港からのアクセスについて
空港からルンビニへはホテルで送迎の手配をしました。値段は1,500NPR(約1,650円)で、25分ほどで到着しました。
空港でタクシーを捕まえても似たような料金になるため、タクシー利用を考えている人は、ホテルに頼んでしまってもよいと思います。
他にもバスでルンビニに向かうことも可能ですが、バイラワ空港には乗り入れておりません。
空港の目の前にある通りが、バイラワとルンビニを結ぶ主要道路となっているのですが、空港から道路まで出た上で、そこでバイラワからルンビニ方面へ向かっているバスをつかまえて、途中乗車する必要があります。
バスは数十円で乗車できるので、本当に安価なのですが、いつ通るか分からないため、今回はタイムパフォーマンスを優先して、事前にタクシーの手配をしてしまいました。
なお、バスの利用の場合は、ルンビニまでの所要時間はタクシーの倍以上の1時間強ほどかかります。
ルンビニは標高が約100mとなっており、ネパールの中では低値に位置しますので、秋、冬、春の時期はカトマンズやポカラに比べると若干気温が暖かいです。
ただし、大気汚染が非常にひどく、晴れている日でも通りの向こう側がかすんでしまうほど、空気が汚れているのがわかります。視界が茶色に見えるので、空気が悪いのが目に見える状態です。
ネパールの都市部は全般的に大気汚染がひどいのですが、今回訪れた町の中では1番大気汚染が深刻な状態でしたので、私はマスクを持参して利用をしていました。



③ルンビニの歴史地区の観光は徒歩がオススメ!
ルンビニの歴史地区のルンビニ園(Lumbini Garden)を観光する際は、下記の3つの手段があります。
- 徒歩
- レンタサイクル(200〜300NPR(220〜330円)/日ですが、メンテナンスが基本的に悪い)
- トゥクトゥク貸切(3hで1,200NPR(約1,320円)〜)
今回、レンタサイクルと悩みましたが、いくつか見て回ったレンタサイクルのお店にある自転車は全てメンテナンス状態が非常に悪かったため、徒歩で回ることにしました。
ルンビニ園の中は非常に広大な面積となっており、途中で自転車が故障してしまったら、本当にシャレにならないな、とボロボロの自転車を見て感じたため、徒歩を選択しました。
道も結構デコボコな場所も多かったので、結果としては徒歩での観光を選んで正解だったと思います!
園内にはほとんどお店がないので、お水などは必ず持参していきましょう!
なお、基本的に寺に入る際には、靴を脱いで入場することになります。抵抗のある方は必ず汚れてもいい靴下をはいていきましょう。
園内にはのら猿、のら牛、のら犬などがたくさんいますので、ご注意ください!

④どんな観光ルートがオススメ?実際に回ったルートをご紹介!
この項目では、私が実際に徒歩で回った観光ルートをご紹介していきたいと思います!ルンビニを訪れる際のご参考にしていただけるとうれしいです!
園内に入ると、ネパール人とインド人の観光客がほとんどですが、ほぼ全員徒歩で観光しているようでした。
私は、徒歩である程度周りたい場所をピックアップして、大体6時間くらいで周ることができました。
ルンビニ園内にはたくさんの寺院がありますので、事前に「ここだけは外せない!」とか、「ここは行きたい!」という場所を絞っておいた方がいいと思います。
もし数日観光をする予定の方は、聖園と博物館以外の寺院は基本的には無料で参拝が可能なので、今日は北部、明日は南部みたいなおおざっぱな決め方でも十分周れると思います。
入り口はいくつかあるのですが、今回はホテルなどが立ち並ぶ地域の近くの5番ゲートから入場しています。
聖園と博物館以外は無料で見学が可能です。なお、ルンビニ園の寺は12時から13時までお昼休憩で閉まる場所が多いので、見学の際はご注意ください。
- 5番ゲート
- 聖園(Sacred Garden、入場料700NPR、約770円)
※マーヤー聖堂(Maya Devi Temple)、アショーカ王の石柱(Ashokan Pillar)、プスカリニ池(Pushkarini)が含まれます - 誕生仏(Siddhartha Statue)
- 平和の火(Feuerstelle Lumbini)
- 運河(Central Canal)
- ミャンマー黄金寺(Myanmar Golden Temple)
- カンボジア寺(Cambodia Lumbini Buddhist Temple)
- インド大菩提寺(Indian Monastery)
- タイ寺(Royal Thai Monastery Lumbini)
- ルンビニ博物館(Lumbini Museum、入場料50NPR)
- 総教日本寺(Japanese Monastery)
- カナダ寺(Canada Temple)
- ベトナム寺(Vietnam Temple)
- オーストリア寺(European-Austria Temple)
- 中華寺(Zhong Hua Monastery)
- 韓国寺(Korean Temple)
- 5番ゲート
ルンビニに来た観光客は100%訪れるのが聖園の一帯ではないでしょうか。
マーヤー聖堂やアショーカ王の石柱、プスカリニ池のある場所にはゲートがあり、入場料の料金の掲示もされており、一見チケットが買えるように見えるのですが、実際のチケット売り場は、入り口から運河側へ伸びる直線の道を少し運河側に進んだ左手にあります。
道路の真ん中に(TICKET COUNTER)という看板が出ているので見落とすことはないと思います。
外国人の入場料は700NPRです。12日間有効な1,000NPRのチケットもありますので、もし長期滞在する、もしくは複数回聖園に来る予定の場合は、こちらを購入するとよいと思います。
ただし普通の観光客であれば、1日で見学はできますので、700NPRの方で問題ありません。






チケットを購入したら、聖園エリアの入り口のゲート右手にある靴の預かり所に靴を預けて裸足か靴下になってから入り口のゲートに向かいます。靴の預け料は無料です。
ゲートには意味がなさそうなセキュリティチェックがあります。
大きいペットボトルは中への持ち込みができないので、ゲートにあるロッカーに無料で預けます。ロッカーは鍵がかかりそうに見えてかからないため、中に物を入れたらそのまま中に進んでいきましょう。


ゲートを越えるとすぐにマーヤー聖堂が前方に見えてきます。比較的新しい建物でブッダの生誕の地がこの中にあるようには正直見えないのですが、中に入ると遺跡があり、中央付近にブッダの生誕の場所があります。
ちなみにマーヤー聖堂の中は、写真撮影は不可ですので、ご注意ください。
マーヤー聖堂の隣に、アショーカ王の石柱があります。もう少し大きな物を想像していましたが、想像の半分以下くらいの大きさでした(個人的な感想です…)。



マーヤー聖堂の後ろにはブッダの産湯として使われたと言われるプスカリニ池と大きな菩提樹があります。菩提樹の前には瞑想ができるように敷物が敷かれています。
ルンビニといえばここ!というような場所ですが、やはりとても見応えのある場所でした。






運河の手前にはブッダが生誕した時に天を指した場面を描いた金の像(誕生仏)が立っており、その後ろに平和の火がたかれています。
運河をまっすぐ進むと2.5kmくらいで新ルンビニ村の方に出ます。運河は南北に渡し船を運行していて、片道50NPRで乗ることができます。
この運河の出発点周辺が唯一、お店が少しある場所です。






ルンビニ園内には、カナダやオーストリアなどなど、普段は仏教のイメージが全くない国のお寺などもあるのがおもしろいです。
アジアの国々のお寺は、独自の文化、スタイルを反映した寺になっており、実際にその国を訪れたことがある人であれば、「あっ、これはどの国の寺だな」と分かるようなデザインになっています。





日本寺の東側にある正方形の池には金の大仏が鎮座しており、その大仏の左後方には、ブッダが生まれた時に天を指していた場面をモチーフにした黄金のブッダ像もあります。
日本寺はその池の奥側にあるような感じです。道を進んでいくと「Japanese Monastery」の看板が出てきます。
どういう感覚なのか、自分でもうまく説明できないのですが、日本寺にたくさんの観光客が訪れている場面を見ると、何だか感激してしまいます!
海外で日本に関連するものが、尊重されていたり、喜ばれていたりするとすごくうれしくなりますよね!










⑤まとめ
今回は、ネパールに唯一ある仏教の四大聖地の1つであるルンビニについて、ご紹介をさせていただきました!
仏教が生活の一部として溶け込んでいる日本ですが、ネパールやインドにある仏教の聖地については、一般的にはあまり知られていないのが現状だと思います。
普段べつに仏教について触れ合っていなくても、不思議とこれらの聖地にいくと感動してしまうものなんですよね。かくいう私がそうでした。
そう簡単に訪れることができない場所ではありますが、ネパールの旅行を検討された際は、ヒマラヤ山脈などの自然景観だけでなく、ぜひルンビニのような仏跡もルートに加えていただけると嬉しいです!
最後に実際にルンビニを訪れて感じた感想を簡単にまとめておきたいと思います!
- コンパクトな地方の町という感じで、徒歩での観光も問題なし!
- ブッダの生誕の地である聖園を訪れることができてすごく感激した!
- 思ったよりもレストランや売店もあったので、滞在には問題なし!
- 残念ながら大気汚染はひどい!マスクが必須!
- ネパールの中でも低地に位置しているので、一年を通しても温暖で過ごしやすい!
- インドの国境と違うから雰囲気が若干インド寄り?

