トランスジョグジャで行く!プランバナン遺跡群と周辺寺院巡り

アジア

・プランバナン遺跡へのアクセス:トランスジョグジャの乗り方
・プランバナン遺跡群のハイライト:ロロジョングラン寺院とセウ寺院
・プランバナン遺跡から足を延ばす!おすすめの周辺寺院

※2025年9月時点の情報
※100IDR(インドネシアルピア)=約1円

 ジョグジャカルタ周辺でボロブドゥールに並ぶ、大人気の世界遺産であるプランバナン遺跡(Prambanan)はご存知でしょうか?
 この遺跡はジョグジャカルタ市内からのアクセスの良さでも知られており、トランスジョグジャ(Trans Jogja)と呼ばれるジョグジャカルタの市内バスシステムを利用して誰でも簡単に行くことができます!
 今回は、ジョグジャカルタからプランバナンへの行き方や、現地到着後の周辺遺跡も含めた回り方などをご紹介していければと思います!
 参考までに訪問時に観光した際のルートも記載させていただきます。

観光ルート 1例 

1. プランバナン・バスターミナル
2. プランバナン寺院史跡公園 ロロ・ジョングラン寺院、ルンブン寺院、ブブラ寺院、セウ寺院
3. プラオサン寺院
4. サリ寺院
5. カラサン寺院
6. カラサン寺院近くのバス停
※6時間程度で観光が可能です。
※ほぼ徒歩観光ですが、プラオサン寺院からサリ寺院まではバイクタクシーを利用しました。

①トランスジョグジャの利用の仕方やプランバナンへのアクセス方法

 まず初めにジョグジャカルタの市内バスシステムのトランスジョグジャについて、ご紹介したいと思います。
 トランスジョグジャとはいわゆる路線バスなのですが、主要なバス停では路面電車みたいに駅のような場所があり、スタッフが常駐してチケットを売ったり、管理したりしている、バスと路面電車の合いの子のような存在です。
 乗り換えも無料でできるので、乗り慣れてしまえば市内移動やバスターミナルに行くときなどに非常に重宝します。
 インドネシアでは日本以上にこのような市内バスをシステマチックに運行している場所が多くあります。ジャカルタにも同じような、よりバス停が巨大なシステム網が張り巡らされています。
 トランスジョグジャの1Aがプランバナンへ行くバスとなります。中心部のマリオボロ通りから乗車することができますし、プランバナンが終点のため、迷うこともありません。
 運行も15分に1便と非常に頻繁に運行しているため、それほど待ち時間もなく乗車が可能です。
 移動時間は1時間弱で、プランバナンのバスターミナルに到着します。チケットは1回3,600IDR(約36円)です。チケットはバス停にいる係員からも、バス車内の車掌からも購入できます。
※実際には100IDRのコインなどはあまり出回っていないため、3,500IDRで乗れます。

 なお、近郊列車も1時間に1本弱でており、ジョグジャカルタ駅から来ることができますが、列車に乗るときに最初に40,000IDR(約400円)が初期設定でチャージされているICカードを買わないといけない&トランスジョグジャに比べて便数が少ないため、オススメしません。

トランスジョグジャ
トランスジョグジャのチケット
トランスジョグジャの車内
プランバナン バスターミナル
プランバナン バスターミナル
プランバナン バスターミナル

②最大の見どころ!プランバナン寺院史跡公園!

 プランバナン観光の1番の見どころといえば、ロロ・ジョングラン寺院(Candi Lolo Jonggrang)やセウ寺院(Candi Sewu)を有するプランバナン寺院史跡公園です!
 プランバナン寺院史跡公園の特徴は同じ場所にヒンドゥー教と仏教の2つの宗教の寺院が共存しているというところです。ロロ・ジョングラン寺院(Candi Lolo Jonggrang)はヒンドゥー教寺院でそれ以外の寺院は仏教寺院になります。
 ボロブドゥールなどの北部を支配していた仏教王国のシャイレンドラ王朝とプランバナンを含む南部を支配していたヒンドゥー教王国のマタラム朝が婚姻関係にあり、非常に仲がよかったことから、このような珍しい共存状態になっています。素晴らしい! 
 

 プランバナンのバスターミナルから、プランバナン寺院史跡公園の入り口へは1km程度離れており、歩いて15分くらいで到着します。
 バスターミナル前の大通りを渡って、右に進み、看板が見えたら左に進むと左手に駐車場の入り口がありますので、そこから中に入ります。
 駐車場に入り、まっすぐ進むと右側にチケット売り場と入り口があります。
 チケット売り場は左右に分かれており、右手がインドネシア人用、左手が外国人用となります。入場料は400,000IDR(約4,000円)です。支払いはクレジットカードも可能です。ネット上で事前予約もできますが、普通に現地で買えるので、特に事前に予約する必要はないです。
 入り口でチケットのQRをスキャンして入場します。入場してすぐ左手にインフォメーションセンターがあり、無料でミネラルウォーターと日本語の冊子をもらえますので、必ず寄りましょう。
 東南アジア諸国では観光地で外国人料金が高く設定されているところでは、水など何か追加のサービスを提供するところが結構あります。何となく、たくさんお金を取っているから申し訳ないなーって気持ちがあるのでしょうか…?

駐車場の入り口 ここから徒歩でも入ります
入り口やチケット売り場への案内板
プランバナンの看板
入り口&チケット売り場の建物
入り口のセキュリティチェック
外国人用チケット売り場
外国人用チケットカウンター
QR付き入場券
QRを読み込んで入場
インフォメーションセンター
無料でもらえるお水と日本語パンフレット
お水をもらえるカウンター

 入り口から左に進むと、すぐ目の前にプランバナン遺跡のメインであるロロ・ジョングラン寺院が見えてきます。
 2025年9月現在、真ん中前方の寺院は改修中になっています。ロロ・ジョングラン寺院の裏側にはアリーナ型の劇場が設置されており、夜にラーマーヤナ舞踏を見ることができます。
 基本的には週に3回程度、乾季は屋外劇場、雨季は屋内劇場で実施されるので、興味がある方は確認をしてみてください。チケット売り場でも予約が可能です。料金も演目や時期によって変動があります。
 なお、気をつけなければならないのが、毎週月曜日はロロ・ジョングラン寺院はメンテナンスのため、中に入ることができません。
 にもかかわらず、ネットで普通に入場の予約もできてしまい、且つメインの寺院に入れないにもかかわらず値段も普段と同じ金額です。

 どうしても日程がないという人は、外観は外から普通に見れますので、それで我慢!と割り切って敢行するしかないかと思いますが、ある程度日程がフレキシブルな場合は月曜日を除いて訪問日を決めてください。
 ちなみに月曜日はいろいろな観光地でメンテナンス休業することが多いので、どうしてもみたい!という場所がある人は事前に確認したほうが無難だと思います。例えば、ボロブドゥールの登壇やソロ近郊にあるジャワ原人のサンギラン博物館なども月曜は入れません。ボロブドゥールもロロ・ジョングラン寺院と同様に、外観のみであれば見学は可能です。

 ロロ・ジョングラン寺院の主堂と四方の神殿は登って中に入ることができ、それぞれヒンドゥー教の神様の像が祀られています。
 天気が良ければ、寺院の左の遠方には、活火山のムラピ山(Gunung Merapi)を見ることができます。

ロロ・ジョングラン寺院
ロロ・ジョングラン寺院
ロロ・ジョングラン寺院
ロロ・ジョングラン寺院
後ろにある野外劇場
ロロ・ジョングラン寺院
ロロ・ジョングラン寺院
ヴィシュヌ神の像

 ロロ・ジョングラン寺院の次に大きな見どころはセウ寺院(Candi Sewu)です。ロロ・ジョングラン寺院から北に1.5kmほどの場所にあります。
 徒歩で散歩しながら進んでいくと、途中でルンブン寺院(Candi Lumbung)とブブラ寺院(Candi Bubrah)があるので、途中で見学しながら、北端のセウ寺院まで行ってみてください。
 至るところに案内板や寺院の看板がありますので、広い園内ではありますが、道に迷うことはないかと思います。
 公園内にはレンタサイクルなどもありますので、必要な方は借りて回るのもいいかと思います。1時間で10,000IDR(約100円)とのことですが、今回は散歩がしたかったので、全て歩いて回りました。
 他にもなぜか公園内に、アーチェリー場やシカの餌付けができるところやカフェ、売店などもあります。

レンタルバイク、レンタサイクル屋
レンタルバイク、レンタサイクル屋の看板
公園内の案内板
ルンブン寺院の看板
ルンブン寺院
ルンブン寺院
ブブラ寺院
ブブラ寺院

 セウ寺院は、ミニ・ロロ・ジョングラン寺院といったような立派な寺院で見応えがありますので、せっかく訪れたのであれば、ロロ・ジョングラン寺院だけ見てバイバイ、ということはせず、北端のセウ寺院も楽しんでみてください。
 セウ寺院もロロ・ジョングラン寺院同様に後方にムラピ山を望むことができます。
 出口は再度、入り口付近まで戻り左手から出ていきます。出口を出ると市場があり、看板の「Exit」に沿って進んでいくと最初に入った駐車場入り口に出ることができます。
 寺院の周りにはいくつも門があるのですが、そこから観光客は出ることができないので、必ずまた南側の入り口付近まで戻らないといけません。

セウ寺院の看板
セウ寺院
セウ寺院の石像
セウ寺院
セウ寺院 遠景
出口
出口の市場
出口の市場

③プランバナン寺院史跡公園周辺の寺院遺跡について

 プランバナンにはプランバナン寺院史跡公園以外にも周辺にたくさんの寺院遺跡が残っています。
 この項ではプランバナン寺院史跡公園以外の寺院遺跡について、ご紹介をしていきたいと思います。

A. プラオサン寺院(Candi Plaosan)

 プランバナン寺院史跡公園から2kmほど北東にプラオサン寺院(Candi Plaosan)があります。徒歩で30分くらいで到着します。
 周りは田舎道の風景が続き、現地の町の雰囲気を楽しむにはいいかと思います。入場料は 50,000IDR(約500円)です。 
 プラオサン寺院は北と南に分かれており、北がメインとなります。南は無料で入ることができます。
 北側の二つの大きな仏堂が見どころとなっています。北も南もたくさんのストゥーパ(仏塔)の残骸が残っており、原型を留めている、もしくは修復がなされているものはほんの一部になります。

料金表
プラオサン寺院 北側
プラオサン寺院 北側
プラオサン寺院 北側 仏塔内の仏像
プラオサン寺院 北側
プラオサン寺院 北側 遠くにムラピ山が見えます
プラオサン寺院 南側
プラオサン寺院 南側

B. サリ寺院(Candi Sari)

 プラオサン寺院からサリ寺院(Candi Sari)までの5.4kmをGrabバイクで16,500Rp.(約165円)で移動しました。
 残念ながらサリ寺院は閉まっており、外観だけの見学となりました。

サリ寺院

C. カラサン寺院(Candi Kalasan)

 サリ寺院から歩いて10分ほどの場所にあるカラサン寺院は、2025年9月現在、修復作業中で寺院の敷地には入れるものの、中を見学することができません。
 入場料は10,000IDR(約100円)でしたが、外観だけであれば敷地の外からでも問題なく見学ができるため、修復作業中は入場料を払って、中に入る必要はない
と思います。

料金表
カラサン寺院
カラサン寺院

 カラサン寺院を出て大通りを左に進むと、わかりにくいのですが、青い看板のところにトランスジョグジャの1A番が止まります。
 料金はどこから乗っても3,600Rp.(約36円)です。このバス停には係員がいないため、チケットは直接バスの車掌から購入します。40分程度でマリオボロ通りまで帰ることができます。

カラサン寺院近くのバス停

④まとめ

 今回は、ジョグジャカルタの近郊にある世界遺産の町、プランバナンについてご紹介をいたしました。
 もちろんツアーで訪れることもできますが、個人でも簡単に行くことができ、ゆっくり楽しめることができますので、個人的にはプランバナンについては、ツアーに参加しなくてもよいのかな、と思います。
 ジョグジャカルタ近郊はたくさんの観光資源に恵まれていますが、個人では行くことが難しい場所が多く、ツアー参加がほぼ必須となっております。
 その中で、これだけ容易にアクセスが可能な観光地も非常に珍しいです。バスの車窓から現地の方々の日常生活を垣間見れるというのも個人的には大好きです!
 ボロブドゥールとプランバナンは入場料が非常に高いため、ひるんでしまう方もいらっしゃるかと思いますが、遺跡を見ずに帰国する、なんてことはせずに、ぜひ入場して楽しんでほしいと思います!