・サンクラブリーってどんな場所?アクセス方法と基本情報
・息をのむ絶景!タイ最長の木造橋「モーン・ブリッジ」
・多文化が共存する町。早朝の托鉢に心洗われるひととき
※2025年7月時点の情報
※1THB(タイバーツ)=約5円
タイとミャンマーの国境近くにある山間の小さな村サンクラブリー(Sangkhlaburi)。ほとんどの方が名前すら聞いたことがないのではないでしょうか。
知る人ぞ知る秘境であり、モーン族という少数民族が住む、他の町とは雰囲気も全く違った地域でもあります。
その小さな町の中には、タイ最長(世界でも2位!)の長さを誇る木造橋や、少数民族が水上生活をしているカオ・レム湖(Khao Laem Lake)があり、タイ・インド・ミャンマー洋式のモーン族の寺や荘厳な仏塔が町を見守っています。
しかし、なんといっても、この町を特徴づけているのは、毎日早朝に行われる*托鉢ではないでしょうか。
今回はそんな、知られざる秘境、サンクラブリーをご紹介したいと思います。
※托鉢…僧侶が修行のため、鉢(はち)を持って、町を周り、経文を唱えて施しを受けて回ること
①どうやって行けばいい?サンクラブリーへのアクセス方法
なんだか、サンクラブリーに興味が湧いてきた!という人もいるのではないでしょうか?では、そんな秘境の村までどのようにアクセスすればよろしいのでしょうか。
バンコクからサンクラブリーまでの一般的な行き方は、まず北バスターミナル近くのミニバスターミナル(Mo Chit2、モーチット2)からミニバスのロットゥーでカンチャナブリーまで行き、カンチャナブリーからサンクラブリー行きのロットゥーに乗り換える方法です。
バンコクからカンチャナブリーへは約2時間半、カンチャナブリーからサンクラブリーまでは約3時間半かかります。待ち時間も考慮すると7〜8時間で到着が可能です。オススメとしては、一気に移動するのではなく、カンチャナブリーに泊まって観光した後に行くと、無理なく行けるのではないでしょうか。
カンチャナブリーからサンクラブリーへは、朝から夕方くらいまで、毎時1台ほど運行されているようです。
バンコクからカンチャナブリーまでの行き方の詳細は、別の記事で記載しておりますので、ご興味のある方は、下記リンク先の記事をご参照ください。
カンチャナブリー発、サンクラブリー行きのロットゥーの乗り場は、カンチャナブリーのバスターミナルではなく、バスターミナル外側左手の赤い看板の建物になります。
その建物の1階がチケット売り場&待合室となっています。サンクラブリーまでの料金は、190THB(約950円)となり、支払いは現金のみです。
チケットにロットゥーの車両番号が書かれており、今回は104番でした。座席はチケットには印字されていないものの、ドライバーがコントロールしているようで、乗車時に指定された席に座る形になります。
3時間半の移動の中、トイレ休憩が2度ほどありました。




サンクラブリーでは、町の中心の市場の近くに到着します。帰りも道の反対側にある場所から乗車する形になります。
町の中心から、観光地のモーン族の村までは1.5kmほど離れているものの、観光は徒歩でも可能だと思います。




②タイ最長の木造橋と寺院。モーン族の村の観光地をご紹介!
この項ではサンクラブリーの観光地について、ご紹介をしていきます!
A. シースワンキーリー橋とモーン・ブリッジ
カンチャナブリーといえば、町とモーン・ヴィレッジ(Hmong Village、モーン族の村)を繋いでいる、タイ国内で最長を誇る木造橋のモーン・ブリッジ(Hmong Bridge)です。
町側から向かう場合、モーン・ブリッジの前に、同じく木造橋のシースワンキーリー橋があります。現地では「赤い橋」と呼ばれており、この橋もまた非常に雰囲気のある橋です。入場は無料です。
橋の周辺にはモーン族の水上集落もあり、中には旅行者が泊まれるホテルなどもあります。






シースワンキーリー橋を渡ると、続いてお目当てのモーン・ブリッジが見えてきます。木造の橋は全長850mあり、端から端までゆっくり景色を見ながら歩くと10分弱かかります。想像よりも横幅もあります。
欄干の間に少し隙間が空いている場所もあり、木の間から湖面が見える場所もあるので、耐久性に心配がありそうに見えますが、早朝の托鉢時にはこの橋に何百人と乗っかってもビクともしないほど頑丈な橋ですので、心配せずに渡ってください!
橋には化粧をして民族衣装を着たモーン族の女の子がいて、写真を撮るとチップを払う必要があります。目安としては20〜50THB(約100〜250円)くらいです。
橋の上ではボートツアーをしませんか?とタイ語で勧誘してくる人もいます。サンクラブリーには外国人観光客は非常に少なく、ほとんどタイ国内の観光客のみのため、英語を話せる人も非常に限られています。今回の滞在時は、朝の托鉢時に2人ほどの欧米人を見かけましたが、それ以外は1人も外国人に会うことはありませんでした。
モーン・ブリッジを渡り切ると、モーン族の村のエリアに入ってきます。町側とは、また違った風景が広がっています。










B. ワット・ワン・ウィウェーッカーラーム(Wat Wang Wiwekkaram)
モーン・ブリッジから徒歩30分程度で到着します。モーン・ブリッジを南にまっすぐ進んでいくとT字路に出ますので、そこから右に曲がり、坂道を上っていくと、ワット・ワン・ウィウェーッカーラームというモーン族の仏教寺院に到着します。
入場料は無料で、通常は寺の中にも入れるのですが、ちょうど行った日は仏教の催し事が行われていたため、敷地には入れたものの、残念ながら寺院の中に入ることはできませんでした。
寺院はタイとインドとミャンマーの様式が混ざったものになっており、非常におもしろい形状をしています。
サンクラブリーの見どころは、モーン・ブリッジだけではありませんので、ぜひ寺院にも足を伸ばしてみてください!


C. チェーディー・ブッダガヤー(Chedi Buddhagaya)
今度は、モーン・ヴィレッジから南に進んだところにあるT字路を、反対の左側に進むとチェーディー・ブッダガヤーの立派な仏塔が見えてきます。
寺院の手前に広場があり、ちょっとしたお土産屋や屋台などが出ています。こちらの寺院も入場料は無料です。この立派な仏塔は、中も見学することができ、仏塔近くまで階段で上がることができますので、是非中へも入っていってください!
仏塔の入り口の左右に控えている大きな獅子の像が、すごくかっこよくて目立っています!




③これが見たかった!小さな村の壮大な托鉢の風景!
仏教の僧侶による早朝の托鉢といえば、ラオスのルアンパバーンという町が世界的に有名なのですが、このサンクラブリーでも托鉢は毎朝6時半ごろから見ることができます。
托鉢の規模、荘厳さ、華やかさは、正直ルアンパバーンでは相手にならないほど、圧倒的なものがあります!托鉢を見たことがない人、ルアンパバーンで経験のある人も、サンクラブリーの托鉢は”一度は体験するべき”素晴らしい経験だと思います。
托鉢が本格的に始まるのは6時半から7時ごろですが、早めにいって見学のベストポジションを確保しなければいけません!今回は朝の6時ごろにモーン・ブリッジを渡り、モーン・ヴィレッジに行き、托鉢を見学しました。モーン・ブリッジにはすでに人で溢れかえり、モーン族の人は伝統衣装を身にまとっていました。「いったいこの小さな村のどこにこれだけの人がいたのだろう?」と感じるほどです。
橋や村には托鉢用のお供物や花を売っている人がたくさんいます。




托鉢は順番待ちがあり、村の奥の寺からモーン・ブリッジ方面に徐々に進んでいく形でお供物を置く台や椅子が並べられています。最後尾も徐々にモーン・ブリッジ方面へ伸びていきます。
托鉢は寺からモーン・ヴィレッジを通り、モーン・ブリッジに至るのですが、寺の近くは見やすい場所がなく、モーン・ブリッジも台などがないため、托鉢を見学するのは、モーン・ヴィレッジの入り口から少し坂を登ったあたりの、お店などの1段上がった高台のような場所がオススメです。写真や動画の撮影も非常にしやすいです。写真を載せている場所以外でも、何ヶ所か見つけられると思います。
モーン族の人々は男女問わず、ミャンマーの伝統の化粧品のタナカでみんなほっぺたに思い思いの模様を描いています。ほっぺたの模様はすごくかわいいものが多く、かわいい模様の型とタナカの入った入れ物を持ったタナカ屋さんもたくさんいました。
伝統衣装も赤、白、ピンクが基調となり、非常に鮮やかでキレイです!
7時過ぎにモーン・ヴィレッジの目抜通りにお坊さんが進んできました。托鉢のお供物はお坊さんが受け取ると、すぐに後ろの係の人に渡され、ズタ袋に入れて回収いきます。
外国人はほぼおらず、自分と2人の欧米人のみだったため、よりローカルな雰囲気を楽しめました!
















④まとめ
今回は、タイの秘境のサンクラブリーを紹介いたしました!まだまだ世界的な知名度は高くはないものの、個人的にはとてつもないポテンシャルを秘めた観光地ではないかと思っています。
まだ世界に気づかれていない今だからこそ、昔ながらのモーン族の生活などを見ることができますし、早朝の托鉢の圧巻の景色も堪能できます!
他の場所の托鉢とは比べ物にならないくらい見ごたえのあるもので、本当に皆さんにも経験してほしいです!
ミニバスの乗り継ぎは必要なものの、思ったよりも行くことも大変ではありません。世の中には魅力的にも関わらず、まだまだ知られていない場所がたくさんありますが、このサンクラブリーもその1つではないかと思います。