・緊張感ゼロだったローマの地下鉄、そしてスリとの遭遇
・犯行の手口は?一瞬で現金が消えた衝撃
・被害に遭って実感した、実践するべき防犯対策
・ローマの玄関口、テルミニ駅周辺の治安は?
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※1EUR(ユーロ)=約170円
いつもは旅行に役立つ情報や観光地の紹介をしていますが、今回は趣向を変えてローマのスリや治安情報について、ご案内したいと思います。
私は今まで100ヵ国以上を訪問しており、一般的には治安が悪いとされる国や地域もたくさん訪れております。その中で、軽いボッタクリのような経験はあるものの、詐欺、暴行、強盗、置き引き、スリといったような犯罪行為の被害を受けたことがありませんでした。
そんな自分が、今回のローマで地下鉄乗車時に、人生で初めてスリの被害に遭いました。もともとローマは世界でも有数のスリ被害報告のある都市ですが、今考えると自身にも大きく責任があり、避けられた犯罪だったと思います。
今回は実際に経験したスリ被害の状況についてと、被害にあったからこそ分かる防犯方法について、ご紹介したいと思います。
おまけではありませんが、ローマの中でも特に治安が悪いと言われることが多い、テルミニ駅周辺の状況についてもご案内できればと思います。
①ローマの地下鉄でのスリ被害 どこで&なんで発生したか?
今回、スリの被害にあったタイミングは、今考えると最悪の結果になってしまったかもしれない、非常に悪いタイミングで発生しました。
発生したのは、イタリア旅行最終日、あと1時間くらいでローマのフィウミチーノ空港へ向かう、本当に旅の最後の最後のタイミングでした。
詳細は後述するものの、結果としては現金のみの被害であったため、問題ありませんでしたが、少し間違えるとパスポートも盗まれていた可能性が高く、帰国ができなくなってしまう状況でした。
スリの被害にあったのは、メトロA線のFlaminio駅からSpagna駅のたった1駅の1分程度の乗車時間のあいだでした。全く被害には気がつかず、駅を降りた際に同行者から、財布が外に出てぶら下がっているけど大丈夫?と声をかけられて、初めて気がつきました。
スリにあう前段階として、私の心理状態も犯罪の被害にあった主要な要因だと、今振り返ると実感します。
今までヨーロッパ在住経験もあり、100カ国以上をプライベートや仕事で訪れており、海外に非常に慣れている人間だと自負していました。
危ない地区などもたくさん行っているので、「まさか、こんな治安のいいヨーロッパなんかで自分が犯罪に巻き込まれるわけがない」と心の底から思っていました。
最近のイタリアは前よりも治安が悪化している地域があると知っていたため、事前に防犯のために実施しようと思っていたこともいくつかありましたが、そんな油断・怠慢・思い込みから最終日に近づくころには、もともと予定していた防犯対策を半分怠っていたような状態でした。

②地下鉄の車内でのスリはどのように行われたか?
Flaminio駅に入場し、階段を降りてすぐの場所から同行者含め3人で地下鉄に乗り込みました。後から考えると、乗車した場所もよくなく、駅から乗り込む段階ですでにスリグループに狙われていたと思います。
犯人はロマもしくはジブシーと呼ばれる人種の女性3〜5人程度のグループでした。そのうち2人は双子のようで顔が非常に似ており、身長150cm前後の小柄で非力そうな女性でした。
この2人が被害者の目を引く役割で、それ以外の人間が、被害者の気が他にそれている間に犯行を行う実行隊だと思われます。
ジプシーと思われる女性や子供が、物乞いやスリ、置き引きを行う、ということは30年以上前から言われていることで、もちろん理解していたものの、油断もあり、全くスリかもしれないという勘は働きませんでした。
乗車する区間はたった1駅、たった1分程度の中での犯行でした。しかも乗車中に一度、自分自身の目でバックが開けられていないかなどの確認をしているため、実質的な犯行可能時間は30秒あったかどうか、くらいだったと思います。
「今思うとおかしいのだけれど」、ということばかりで、記載した内容を読まれると、「なんでその時点で気がつかないんだ?」という感じかもしれませんが、その場ではまったく気がつきませんでした。
乗車した際は私と1人の同行者は肩が触れ合うくらい近くにおり、もう1人は1mほど離れたドアの近くに立っていました。
私はショルダーバックをお腹側にかけて前方で抱えるような状態、同行者2人はナップサックを同じように前方で抱えるような状態で乗車しました。
まず乗車して最初の異変は少し離れて立っていた同行者の1人の周りだけ非常に混雑しており、狭くて息苦しかったため、同行者がドアの方に移動をしました。
おそらく、同行者はドアに移動したために被害を免れたと思います。その際に同行者の近くにいた双子のジプシーの1人が私の方に、何かジェスチャーで同行者を指して話しかけてきました。
その際に、私はジプシーの女性が何を言いたいのかわかりませんでしたが、英語で「次の駅で降りるから大丈夫」とジプシーの女性に返事をしました。
乗車時間は1分程度でしたので、このタイミングしか犯行のチャンスがなかったと思うのですが、ジプシーの女性が私にジェスチャーをして気を逸らした時に、私の後方からスリが行われたと思います。
下車して、犯行に気がついた時、私が前方で抱えるように持っていたショルダーバックの全部のチャックが開かれており、バックの内部にあるチャックや鎖につなげていた財布も開けられた状態でした。
音がなったり、開けられた感覚を通常は感じるのですが、この時は全く何も感じませんでした。
被害としては、現金250EUR程度(約42,500円)と交通機関の3日間乗り放題チケットだけが盗まれていました。
私の近くに立っていた同行者のバックのチャックも開いていたので、もしかするとスリをされたものの、たまたま金目のものがなかったために被害が出なかったのかもしれません。




③なぜ現金だけスリにあい、他のものは無事だったのか
前述したとおり、被害にあったのは現金と交通機関の乗り放題チケットのみでした。この項目では被害にあったショルダーバックの中にあったもの、盗まれたものと盗まれなかったものは何で、なぜそのような結果になったかをご紹介したいと思います。
犯行にあった際にバックやバックの中にあったものや状況は下記の通りです。
- ショルダーバック…前方で抱えていたため、バック自体は無事でしたが、チャックを開けられる行為には全く気がつきませんでした
- 携帯電話…防犯のヒモをバックの金属ファスナーにつなげていたため無事でした
- 財布…防犯の金属製のクサリをバックの金属ファスナーにつなげていたため財布自体は無事も、中に入れていた現金と乗り放題チケットは盗まれました
- パスポート…開けられたチャックの中に入っていたので、盗まれなかったのは単なるラッキーでした。もともと用意していた防犯ベルトの中などに保管していれば、そもそも危険もありませんでした
- クレジットカード…開けられた財布に2枚、バックの内部にある、開けられたチャックの中に1枚の計3枚ありましたが、盗まれなかったのは単なるラッキーでした
- ガイドブック…盗まれませんでした。もしかするとガイドブックのせいでバックの中がかさばってしまい、スリで物色する際の邪魔になったかもしれません
- 紙幣…財布の中に入れており、全て盗まれました
- 硬貨…財布の中にチャックのある小さなビニールに入れていましたが、盗まれなかったのは単なるラッキーでした
結論としては、防犯のヒモや金属製のクサリを携帯電話や財布につけていたため、物自体を盗まれることはありませんでしたが、その対策をしていなければ全て盗まれていたと思います。
クレジットカードやパスポートが盗まれなかったのは、単純に運が良かっただけで、普通に盗める状態にありました。犯人自体も犯行する時間が非常に短かったため、いろいろ物色している時間がなかったのではないかと思います。
④被害にあったから分かる、実施するべき防犯対策
被害にあったから分かるのですが、そもそも油断をせずにきちんと簡単にできる防犯対策をしていれば、スリの被害などは防げていたと反省しています。
具体的な防犯対策については下記のとおりです。
1. カバンやバックにも鍵をかける
※私自身もイタリア入国時は警戒して実施していましたが、最後の方で警戒感が薄れ、面倒くさくなり、実施していませんでした
2. 現金・クレジットカードは複数箇所に別々に保管
※アフリカや中南米など元々治安に不安がある場所では実施している人も多いですが、ヨーロッパでも必要と感じました
3. カバンやバックは後ろや横ではなく、前方に持つ
※今回、こちらは実施していました
4. ドア付近には立たない
※犯行後、すぐに逃げれるようにドア付近で犯行をする犯人が多いです
5. 最前列もしくは最後尾の車両に乗る
※スリは中寄りの地下鉄出口などに近いドアや車両にいることが多いです
6. 混雑している電車もしくは車両はできるだけ回避する
7. 週末は混雑しているため、スリの被害が多い傾向にあるため、注意しましょう
※実際に私がスリにあった後、同じ日に2件、別の人がスリの被害にあっている場面に遭遇しました。偶然ではあるものの、同日に自身含め3件のスリを目撃しています。
⑤テルミニ駅周辺の治安について
最後にローマでも治安が悪いと言われるテルミニ駅周辺の治安について、ご紹介したいと思います。
今回は移動がしやすい場所に宿泊することを最優先にしていたため、ローマでもテルミニ駅周辺で2つのホテルに計3泊しました。
他の都市と比較すると、ナポリ中央駅周辺よりかは治安自体はよいのではないかと感じました。テルミニ駅周辺は黒人の男性が非常に多くたむろしているため、慣れていない日本人は特に少し不安に感じる部分もあるのではないかと思います。
ただし、日中に関しては、黒人の人たちも単にたむろして友達とおしゃべりしているだけですし、歩いていても特に危険は感じないので大丈夫かと思います。
テルミニ駅に限らず、ヨーロッパの都市の中央駅周辺というのは、一般的に同じ雰囲気で治安がよくなさそうな感じなのですが、日中は特に問題と思います。
日中でも入ってはいけない地区が多くあるアフリカや中南米とはその点は違うのかな、と思います。
⑥まとめ
今回は、ローマの地下鉄の車内であったスリ被害について&防犯対策についてを中心に紹介をさせていただきました。
自分は経験もあるし大丈夫、という思い込みや怠慢が呼んだトラブルだったのでご紹介するのも恥ずかしい思いではありましたが、これからイタリア旅行に行くどなたかの役に立てればと思い、恥を忍んでご紹介いたしました。
スリにあった直後は「怖い」という感情が湧いてきましたが、だからイタリアは治安が悪い、ローマは怖い、というような単純なマイナスイメージを持ってしまうのは、非常にもったいないと思います。
治安の良し悪しに差はありますが、どの国、どの都市でもスリをするような悪い人間はいますし、その人たちを基準に考えることは違うかなと思います。
私もこれに懲りず、その後もいろいろな場所に旅行に行っていますので、皆さんも世界のいろいろな場所を訪れていただければ嬉しいです!