【ナポリの歩き方】スパッカ・ナポリ散策と絶品シーフード、治安の注意点を解説!

イタリア

・ナポリへのアクセス方法紹介!トレニタリア・私鉄・バス 全てを網羅
・ナポリが初めてでも安心!知っておきたい治安のリアルと注意点
・歴史と活気が交差する!「スパッカ・ナポリ」散策のオススメ
・海の幸を堪能!ナポリで行きたい絶品シーフードレストラン

※2025年6月時点の情報
※1EUR(ユーロ)=約170円

 ナポリといえば、ピザ・マルガリータ発祥の地、ナポリ民謡のサンタルチアの唄。サッカー好きな人ならマラドーナの印象でしょうか?日本でタレント活動しているジローラモさんもナポリ出身ですね。
 イタリア有数の観光都市にして、南部イタリアの中心都市であるナポリですが、ちょっぴり治安面などで心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 今回は、この魅力的なナポリのアクセス方法、観光地情報から治安面について、ご紹介をしていければと思います!

①ナポリへのアクセス情報交通機関

 ナポリは2,000年以上の歴史を持つイタリア有数の港湾都市で、南部イタリアの中心都市でもあります。観光都市でありながら、世界でも名高いポンペイ遺跡やアマルフィ海岸といった観光地への玄関口としても知られています。
 そのため、交通機関は多岐に及び、飛行機、電車、メトロ、バス、フェリー、ケーブルカーなどがありますが、今回は特に旅行者が利用するであろう、電車とバスを中心にご紹介ができればと思います。

 今回は、バーリからナポリへバスで入り、ヴェスヴィオ周遊鉄道という私鉄でポンペイ遺跡やアマルフィ海岸地方に行き、国鉄のトレニタリアでローマへ移動しました。
 ナポリはローマなどの北からのアクセスは非常に便利で、1時間に何本も電車が出てますし、特急であれば1時間強で到着もできます。それとは逆に、電車での横の移動は発達しておらず、ローマと同程度の距離しか離れていないバーリからは8時間程度かかってしまうことも珍しくありません。
 そのため、横方向の移動の場合は、バスが主要な交通機関となります。

・長距離バス

 バーリからナポリへは3時間半ほどで到着します。複数社が運行しており、混雑状況により値段も上下動しますので要確認です。
 途中で1度トイレ休憩があります。乗る便によっては最終目的地はナポリではなくローマ行きで、ナポリに途中下車する、という場合もあります。
 バスターミナルはナポリ中央駅の南側にあるので、ローマなどの他の都市にトレニタリアやITALOで移動する場合や、ポンペイやアマルフィ海岸に移動するためにヴェスヴィオ周遊鉄道に乗り換える場合や、市内をメトロやバスで移動する際にも便利です。
 ナポリ中央駅にはスーパーのConadやFood Hall Napoliというフードコートがあり、駅だけで全て終了することができます。

ナポリ バスターミナル
ナポリ バスターミナル
ナポリ中央駅
ナポリ中央駅 駅前広場
ナポリ中央駅
ナポリ中央駅 フードコート FOOD HALL NAPOLI

・ヴェスヴィオ周遊鉄道(Ferrovia Circumvesuviana)

 

 ナポリにはヴェスヴィオ周遊鉄道という私鉄の電車が走っています。ナポリ中央駅とは繋がっており、エスカレーターで地下1階に降りた奥にチケット売り場とプラットフォームがあります。
 この電車はいつも観光客で混雑している路線です。ポンペイ遺跡とアマルフィ海岸という2つの世界遺産を訪れるために利用する電車なので、以前に乗ったことがある、という方も多いのではないでしょうか。
 ちなみにアマルフィ海岸に行く場合は、アマルフィではなく、アマルフィ海岸地方の玄関口のソレント(Sorrento)という町に行くことになります。
 主要な駅間の所要時間や乗車料金につきましては、下記の通りです。

  • ナポリ→ソレント 1時間10分 4.6EUR(約780円)
  • ナポリ→ポンペイ 30分 2.8EUR(約480円)
  • ポンペイ→ソレント 40分 3.3EUR(約560円)

 ※1日4便特急が出ており、ソレントまでは片道15EUR(約2,550円)となり、普通列車で行くより3倍強の料金がかかります。

 ちなみにナポリ中央駅の地下にあるヴェスヴィオ周遊鉄道の駅名は、中央駅ではなく、ナポリ・ピアッツァ・ガリバルディ駅(Napoli Piazza Garibaldi)という駅名になります。
 なんとなく中央駅に隣接しているので、始発駅と勘違いしてしまいがちですが、始発駅はナポリ・ポルタ・ノラーナ駅(Napoli Porta Nolana)という別の駅になりますので要注意です。
 ナポリ・ガリバルディ駅から乗車する際はQRを読み込んで乗車するのですが、駅によってはQRを読み込まずに入退場する駅もあります。
 電車が来ると全員我先に席をとりに行くので、座って休みたい人は気合が必要。基本列になって並ぶ、などの考えはないので、郷に入っては郷に従いましょう。

ヴェスヴィオ周遊鉄道 ナポリ・ガリバルディ駅 入り口
ヴェスヴィオ周遊鉄道 時刻表
ナポリ・ガリバルディ駅 チケット売り場
ナポリ・ガリバルディ駅 改札
ナポリ・ガリバルディ駅 ソレント行き列車 電光掲示板
ナポリ・ガリバルディ駅 プラットフォーム
ソレント行き 列車
ソレント行き 列車内

・トレニタリア

 

 ナポリ中央駅からは、たくさんの列車が発着しますが、特にローマ行きの列車は1時間に数本の割合でたくさん運行されています。
 ミラノ中央駅のようなQRを読むようなゲートがないため、忘れずに打刻機で乗車券に打刻をするのを忘れないようにしましょう。
 ローマからであれば、ITALOの特急やトレニタリアのフレチャロッサだと1時間半程度、ICであれば約2時間、普通の快速であれば約3時間でローマ・テルミニ駅に到着します。
 特急と普通では乗車料金が3倍以上変わってきますので、どの列車がご自身に都合が良いかを考えて、乗る列車をお選びください。

ナポリ中央駅
ナポリ中央駅
ナポリ発 ローマ行き 普通列車 電光掲示板
ナポリ発 ローマ行き 普通列車

②ナポリ市内観光と治安について

 ナポリについては、しばしば治安について不安の声が聞こえてきます。では、実際に現地に訪れた感覚として、市内観光をする際に、どれだけ治安の心配があるのでしょうか。
 結論としては、基本的には日中であれば、どの観光地も治安に問題はない、という感覚です。もちろんイタリアの他都市と同様に、スリや置き引き等の軽犯罪は日夜問わずに警戒が必要ですので、お気をつけください。
 一般的に観光客のいう、「ナポリは治安が悪い」という言葉は、ナポリ駅前の広場から北側の一帯を指すのではないかと思います。
 ナポリ駅の北側はアラブ系とアフリカ系の移民が非常に多い地域です。特にアフリカ系の黒人が他の都市と比べてもたくさんいます。
 朝から晩まで路上にたくさんの黒人系の移民がたむろ、徘徊しているため、黒人と普段触れ合うことが少なく、慣れていない日本人は時として「怖い」という感情を抱いてしまうのかな?と思います。
 今回は2泊ほど周辺の地域で宿泊しましたが、他の地域同様に日中であれば、特に気にするようなことはないかと思います。
 そのため、観光という観点ではあまり気にしなくても大丈夫だと思います。次に市内の主要観光地を簡単にご紹介をさせていただきます。

・スパッカ・ナポリ(Spacca Napoli)

 ナポリの北から港方面に向かうトレド通り(Via Toledo)からナポリ中央駅方面に伸びた、古くからある通りがスパッカ・ナポリです。
 いわゆるナポリの下町といった風情でしょうか。イタリアプロサッカーのセリアAの2024〜2025年シーズンでナポリFCが2年ぶりの優勝を飾ったこともあり、街中にナポリFCの横断幕やチームカラーの水色がたくさん飾られています。
 その中でもスパッカ・ナポリが一番飾り付けがされており、ナポリFCの横断幕とチームの伝説的選手であるマラドーナの壁画などが至る所にあり、とても良い雰囲気を味わえます!
 たくさんのお土産屋、カフェ、レストランなどが並んでおり、途中途中で雰囲気のある教会もいくつも並んでいます。特に壁面の模様が独特なジェズ・ヌオーヴォ教会(Gesu Nuovo)がオススメです!
 個人的にはナポリ市内観光でダントツでオススメがスパッカ・ナポリの散策です!

スパッカ・ナポリ
スパッカ・ナポリ
スパッカ・ナポリ
スパッカ・ナポリ
ニーロ像(Nilo)
ジェズ・ヌオーヴォ教会

・王宮(Palazzo Reale)、プレビシート広場(Piazza del Plebiscito)とサン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂(San Francesco di Paola)

 スパッカ・ナポリを抜けてトレド通りを南へ1kmほど下っていくと急に開けた場所に出てきます。そこが広くてきれいな景色で有名なプレビシート広場です。
 左手に王宮、右手にサン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂が建っていて、非常に壮観です。王宮は中が博物館となっており、10EUR(約1,700円)で入場ができます。
 博物館に興味がない場合も、中庭などは無料で入ることができます。無料の簡易トイレもありますので、観光の合間に利用するのも良いかもしれません。

プレビシート広場
王宮
サン・フランチェスコ・ディ・パオラ聖堂
王宮 中庭

・ヌオーヴォ城(Castel Nuovo)、卵城(Castel dell’ Ovo)とサンタ・ルチア(Santa Lucía)

 プレビシート広場から少し進むと港に出ます。そこから左に進むとヌオーヴォ城(別名 アンジュー家のヤグラ、Maschio Angioino)、右側に海沿いに進むと美しいサンタ・ルチア地区に入ります。
 ナポリと言って、人々が思い浮かべる典型的なイメージの風景がサンタ・ルチアでは広がっています。そのサンタ・ルチア湾に面して建っている城が卵城です。現在は改装中で中には入れませんでしたが、気持ちの良い散策ルートになっています。

ヌオーヴォ城
ヌオーヴォ城
サンタ・ルチア
卵城
卵城

③おすすめシーフードレストランとナポリグルメ紹介!

 ヌオーヴォ城を抜けて港の方に進んでいくと、カプリ島などに向かうフェリーのターミナル近くに口コミで評判の高いシーフードレストランの「Piccolo Ristoro」があります。
 日本人もたくさん訪れるため、メニューには日本語の記載もあるのでわかりやすいです。このお店はおいしい&値段が良心的で有名です。日本では高級食材になるようなものが含まれているメニューであっても、ほとんどのメニューが10〜15EUR(約1,700〜2,550円)で注文ができます。
 イタリアのレストランの料金の目安は下記の通りですので、比べてみると比較的安いということがわかると思います。

  • メインディッシュ…15〜25EUR(約2,500〜4,300円)
  • スパゲッティ…10〜20EUR(約1,700〜3,400円)
  • ピザ…5〜15EUR(約900〜2,500円)
  • ビール、ハウスワイン(グラス)…5〜8EUR(約900〜1,400円)
  • ミネラルウォーター…3〜5EUR(約500〜1,400円)

 今回は、レッドロブスターのパスタ、シーフードフライの盛り合わせ、たこサラダを注文しました。支払いは現金の方が喜ばれますが、クレジットカードで払いたいとお願いすれば、渋々オッケーしてくれます。

シーフードフライの盛り合わせ
タコサラダ
レッドロブスターのパスタ

 ちなみにシーフードレストランだけではありませんが、駅前広場の南側にもレストランがたくさんあり、食事に非常に便利です。
 プーリア州も近いことから、プーリア州の郷土料理である、ひよこ豆パスタのパスタ・エ・チェーチや、タコサラダ、ナポリといえば!のピザ・マルガリータなどを注文しました。どちらもとてもおいしかったです!

ピザ・マルガリータ
タコサラダ
プーリア料理 ひよこ豆パスタ パスタ・エ・チェーチ

④まとめ

 今回は、イタリアでも人気の高い観光都市であるナポリをご紹介しました。美しいサンタ・ルチアやおいしいピザ・マルガリータのイメージとともに、特に治安面などで心配の種のある場所でもあるかと思います。
 実際に訪問した際に感じた点などをお伝えさせていただきましたので、そちらをご参考いただき、楽しいナポリ観光をしていただければと思います。
 アラブ系・アフリカ系移民への、理由のわからない恐怖感というものは、一番は慣れていない、ということが大きいと思います。何日も滞在しているうちに、彼らと触れ合っているうちに、自然と慣れてくるというのもまた事実かと思います。
 スパッカ・ナポリの散策は個人的にはイタリア旅行の中でも、かなりお気に入りの一つですので、ぜひナポリの下町散策をお楽しみください!