・隣町のソロの郊外なのに、なぜジョグジャカルタから日帰り?
・インドネシアの異端児?アステカ文明を思わせるスクー寺院
・緑豊かな斜面に建つ:チュト寺院の多層テラスとその魅力
※2025年9月時点の情報
※100IDR(インドネシアルピア)=約1円
スクー寺院とチュト寺院の名前を聞いたことがある、という人は非常に少ないのではないでしょうか?この2つの寺院はどちらもヒンドゥー教の寺院で、最寄りの都市は、ジョグジャカルタから70km東に位置する地方都市のソロです。そして、その最寄りの都市のソロからは、東30kmの郊外の山中にあります。
今回は、この2つの寺院について、おすすめのアクセス方法や観光時の情報などを共有していきたいと思います。
①近場のソロからではなく、ジョグジャカルタからの往復がオススメ!
まず前提として、スクー寺院もチュト寺院も公共交通機関で行くのは非常に厳しい場所に位置しています。
そのため、100km離れたジョグジャカルタからであれば、旅行会社のツアーへの参加、30km離れたソロからであればタクシーをチャーターして向かうことになります。
その上で、どちらをオススメするかというと、断然ジョグジャカルタからの往復となります。
ではなぜ、より遠いジョグジャカルタからの往復をオススメするかというと、同じ地方都市ではあるものの、観光客数には天と地の差があるため、より近いにもかかわらず、ソロから出発するツアーや観光客用のツアーを設定している旅行会社はほぼありません。
そのため、タクシーのチャーターなどを宿泊しているホテルなどでアレンジするか、街中でドライバーに直接交渉する方法となってしまいます。
結果として、より遠くに位置するジョグジャカルタの方が、旅行会社の数も多く、観光客も圧倒的に多いため、ツアーに参加して現地を訪問する方が、ソロから車をチャーターして行くよりも、より安価で、より臨機応変なアレンジが可能となります。
次項では、私が実際に参加したツアーの料金、時間、内容等をご紹介させていただきます!
②料金と時間はどれくらい?スクー寺院&チュト寺院ツアーの詳細について
今回参加したツアーの旅行会社は、以前紹介したジョンブラン洞窟&ピンドゥル洞窟、ディエン高原と同じく「Sosro Tour Travel」という会社で、ソスロウィジャヤン通り(Jalan Sosrowijayan)の脇道にある旅行会社です。
他の旅行会社と比較しても、同等か若干安いツアーが多いため、滞在中に3回ほどツアーに参加しました。このツアーは11時間かかる1日ツアーで、料金の詳細は下記のとおりです。
・ツアー代 650,000Rp.(約6,500円)
※3人以上であれば1人500,000Rp.(約5,000円)になりますが、今回は私含めて2名であったため、若干割高です
※おそらく旅行会社がクレジットカード手数料の50,000Rp.を追加し忘れていると思うので、下記の合計より通常は若干増えると思います。
・スクー寺院入場料 50,000IDR(約500円)
・チュト寺院入場料 50,000Rp.(約500円)
・合計 750,000IDR(約7,500円)
ツアーのコースは下記の通りです。
- ホテルピックアップ
- スクー寺院
- チュト寺院
- サンギラン村
- ジョグジャカルタへ戻る
今回は、無料で通常のコース内容に追加して、ジャワ原人の骨が発見されたサンギランにも立ち寄ってもらいました。
毎回、もともとのツアー内容から無料で行きたい場所などを追加する対応をしてくださる、本当にいい旅行会社でした!

③まるでアステカ文明のピラミッド?神秘的な空気の漂うスクー寺院
7時にホテルでピックアップしてもらい、スクー寺院(Candi Sukuh)に1時間半で到着しました。駐車場に無料のトイレもあるので、観光前後に利用するとよいかと思います。
標高は900mほどの山にあるため、午前の早い時間や曇っている時は少し肌寒くなりますので、何か羽織るものも念のため、用意しておくとよいかと思います。
入場料は50,000IDR(約500円)です。最新のガイドブックでは30,000IDR(約300円)と記載されていますが、値上がりしています。
チケットの代わりにバンドを手首につけて入場します。入り口で無料で貸し出されるサロンを腰に巻いて入場します。サロンを巻くのはジャワ島のヒンドゥー教の宗派の決まりとのことです。




1時間半ほど観光していましたが、その間に他の観光客が訪れることはなく、貸切状態でした。
男根を象徴するような像やレリーフなどがあるのも特徴の1つで、入り口から入って、階段を登り、上段に移動して左にある建物の中に、有名な男根を示すレリーフがあります。




スクー寺院で特にミステリアスな雰囲気をかもし出しているのは、本堂の不思議な形です。この本堂は、なぜか遠く離れた中米のマヤ文明のピラミッドと酷似しています。
にもかかわらず、マヤ文明のピラミッドとの関係性は特にないと言われています。このマヤのピラミッド状の寺院の上にも登ることができ、そこからの眺めは絶景です。








少し話はずれますが、スクー寺院の周辺は茶葉の生産地で寺院周辺のお土産屋などでも売っています。
この地域で取れるお茶は「Kemuning」という名前のお茶で、スクー寺院から車で坂を下って戻る際に左手に大きな茶畑があり、少し覗いてみたりしました。
ジャワ島のお茶は日本では「ジャワティー」と呼ばれて知られていますので、現地に来た際にお試しいただくとよいかと思います!



④7段からなる多層テラス構造のチュト寺院
スクー寺院から車で30分ほどでチュト寺院(Candi Ceto)に到着します。標高はスクー寺院よりも高い1,400mほどのところにあるため、少し肌寒く感じるかもしれません。
入場料は50,000IDR(約500円)です。
※最新のガイドブックでは30,000IDR(約300円)と記載されていますが、値上がりしています。
スクー寺院と同様にチケットの代わりにバンドを手首につけて入場します。入り口で無料で貸し出されるサロンを腰に巻いて入場します。




チュト寺院はスクー寺院と比べると、少し観光客も来ているような印象です。何人か外国人観光客も目にしました。
寺院は7段に分かれており、1番下から7段目まで上がりながら見学していきます。
やはりこちらもスクー寺院同様に男根を象徴したものやマヤ文明のピラミッドに酷似した作りの寺院があります。








4段目の左横側から一度外に出て道を進むと、お店などが立ち並ぶちょっとした商店街があり、そこを進んでいくとチュト寺院以外の4つの観光地に入れる入り口とチケット売り場があります。
若干わかりづらいので、気づかずに帰ってしまう観光客も結構いるのではないでしょうか?
入場料は7,000Rp.(約70円で)、
Puri Taman Saraswati(サラスワティ寺院)
Sending(泉)
Meru(男根寺院)
Candi Kethek(ケテク寺院)
の4つを見学できます。どうせなら、最初からチュト寺院のチケットに含めてくれればいいのに…と思いましたが、ルールなので仕方ありません!
入り口から進んで少しすると分かれ道があり、左側を進むとケテク寺院にいくことができ、右側を登るとサラスワティ寺院、泉、男根寺院の3つが並んでいる場所に出ます。
ケテク寺院はマヤのピラミッドに似た寺院が残っており、ジャングルに囲われていて、非常に雰囲気がある寺院でした。
横にはトレッキングルートもあるようでインドネシア人の人たちがトレッキングを楽しんでいました。






分かれ道を右に進むと、左からサラスワティ寺院、男根寺院、泉が並んでいるところに出ます。
サラスワティ寺院はちょうど清掃中で竹でやぐらを作って洗浄していました。一番奇妙で面白いのは男根寺院で、寺院の屋根のてっぺんに大きな男根がそびえ立っています。
この追加の4つの観光地も含めると、ゆっくり回ると1時間半から2時間ほど観光に必要になるので、チュト寺院に行かれる際は、少し余裕を持った旅程にするとよいと思います。
ガイドブックや現地のツアー会社では、スクー寺院が目玉のような紹介が多いのですが、チュト寺院の方が敷地も広く、それ以外の見どころもありましたので、個人的にはチュト寺院の方がおすすめです。






⑤ジャワ原人が出土したザンギラン村
今回は無料でジャワ原人の骨が見つかったサンギラン村(Sangiran)にも立ち寄ってもらいました。ソロの町から北へ車で30分ほどのジャングルの中にあります。
訪問日は月曜であったため、サンギラン博物館は休館日であることはわかっていたのですが、ジャワ原人が見つかった村の景色や雰囲気を味わいたくて、訪問をしました。
ソロの町から個人でも来れなくもないですが、若干ややこしいので、ツアーで無料で来れて、非常にお得な感じがしました。




⑥まとめ
このスクー寺院、チュト寺院のツアーは、ボロブドゥールやプランバナンなどの主要観光地のツアーと比較すると、どうしても地味に感じてしまいますが、ところがどっこい、満足度も高く、非常におすすめです!
今回、実際にスクー寺院、チュト寺院やサンギラン村を訪問して感じたことをまとめていこうと思います!
・マイナーな場所でも素晴らしい場所がたくさんあると再度実感!
・ちょっと行きづらいかもしれないけど、行く価値あり!
・なんで遠くマヤ文明の遺跡とすごく似た形なのか本当に不思議!
・100万年前のジャワ原人が見たのと同じ夕日が見れて感激!