・悪い評判も聞くライアンエア。実際乗ってみてどう?
・くせ強めのルール。追加料金などはどうする?
・荷物の大きさ、重量はどれだけ厳しい?
・乗り心地や機内サービスは?
※2025年6月時点の情報
※1EUR(ユーロ)=約170円
海外旅行好きの人は、ライアンエア(Ryan air)の名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?ライアンエアはライバル会社のイージージェット(easy jet)と双璧をなす、ヨーロッパ最大のLCC(Low Cost Carrierの略、格安航空会社)です。
特徴としては、とても安い料金とヨーロッパ全土に張り巡らされている路線網ではないでしょうか。それにも関わらず、ネット上では「追加料金を取られた」、「サービスが悪い」、「ルールがややこしい」など、ネガティブな情報も出回っているのも事実です。
今回、イタリアの国内線区間を2度に渡ってライアンエアを利用しましたので、実際に利用してみて、注意が必要だと感じた点や正直な感想について、ご紹介できればと思います。
①LCCとは何?
最近日本でもLCCという言葉を良く聞くようになりましたが、日本航空や全日空などと比べて何が違うのでしょうか?簡単にLCCの一般的な特徴について、まとめてみると、下記のようなものになるかと思います。
- 料金が安い
- 飲み物や食事が有料
- 事前座席指定が有料
- 預け荷物が有料、もしくはルールが厳しい
- 一般的な航空会社と比べて欠航や遅延が多く、いざという時に補償が全くない
日本でもpeachやスプリング・ジャパン、ジェットスター・ジャパンなどを代表に、年々路線や知名度を拡大して行っています。
ただし、年々、LCCが増えるとともに、その他の航空会社のサービス自体もLCCに寄ってきてしまっているというのも事実です。
例えばヨーロッパであれば、日本でいう日本航空や全日空のようなメガキャリアと呼ばれる主要航空会社であっても、ヨーロッパ圏内の短距離路線であれば、飲食が有料であったりも当たり前のようにありますし、世界中の航空会社が事前の座席指定を有料に切り替えてきたりもしています。
これらのいわゆる、「LCC的」なサービスというものを確立した航空会社の一つが、今回ご紹介するライアンエアだと言われています。
②ライアンエアと他のLCCの違いとは?
ではライアンエアとその他のLCCで何が違うのでしょうか?なぜ、厳しい口コミも散見されるのでしょうか?
端的に特徴をご紹介すると、
- 運賃は安く、それ以外は基本的にオプションで追加払い
- オプションは予約時でも当日でもつけれるが、当日につけると割高
- 荷物の規定がややこしい
という点に尽きるのではないでしょうか?
追加オプションには、座席指定、優先搭乗、旅行保険、荷物の追加の4つがありますが、おそらく旅行保険についてはほとんどが不要かと思いますので、それ以外の3つをご紹介します。特に悩む人が多いと思われるのは荷物ではないでしょうか?
荷物のルールについては、まず4つある航空運賃について紹介する必要があるかと思います。下記にライアンエアの航空運賃ルールをまとめさせていただきました。
運賃名 | 事前座席指定 | 優先搭乗 | 荷物規定 | 備考 |
Basic | ✖️ | ✖️ | 小バッグ | |
Regular | ○ 一部利用できない席あり | ○ | 小バッグ+ 10kg手荷物 | |
Plus | ◯ 一部利用できない 席あり | ◯ | 小バッグ+ 20kg受託荷物 | 空港での 無料チェックイン |
Flexi Plus | ◯ 全座席指定可 | ◯ | 小バッグ+ 10kg手荷物 | 空港での 無料チェックイン ファストトラック フライト変更 |
※バッグの補足説明
小バッグ…予約サイト上では「one small bag」と記載。40cm x 20cm x 25cm
10kg手荷物…予約サイト上では「overhead locker bag」と記載。55cm x 40 cm x 20cm
20kg受託荷物…予約サイト上では「20kg check-in bag」と記載。縦、横、高さの合計158cm
上記の通り、多くの人が購入するであろうBasicのプランには受託手荷物が入っていないため、追加オプションを購入することも多いかと思います。
基本的には追加料金は発生するものと考えて購入をしないと、「こんなにかかると思わなかった」と感じなくて良いかもしれません。
その場合、バッグの大きさにより追加で11.99EUR(約2,000円)か26.99EUR(約4,600円)の追加購入が必要になります。当日でも追加ができますが、これよりも高い料金になってしまうため、必要であれば予約時に追加してしまう方が賢いです。
荷物以外にも不思議なルールがあるため、そちらについても追加でご紹介いたします。まず、チェックインについてですが、オンラインチェックインが基本となっており、オンラインチェックインをせずに空港のカウンターでチェックインをすると1人につき、50EUR(約8,500円)の手数料が発生します。
オンラインチェックインをしたら、搭乗券とQRコードが送られてきますので、当日はQRコードを見せてセキュリティチェックを抜け、搭乗口まで向かいます。
上記のようにオンラインチェックインがデフォルトのような仕様になっているのですが、オンラインチェックインの時にも1人につき、0.65EUR(約110円)の手数料がなぜかかかります。最初から料金に載せておいてくれればいいのに…と思ってしまいますが仕方がありません。
もし紙の搭乗券が欲しいという人は、空港で発行は可能ですが、追加で20EUR(約3,400円)の支払いが発生します。そもそもの紙の搭乗券の発行自体は2025年中になくなるという話もあるので、今後はこの追加料金オプション自体もなくなるかもしれません。
③実際にライアンエアを利用して、どう感じたか?
今回は、イタリア国内で2回ライアンエアを利用をしました。1度目はピサからシチリアのパレルモ、2度目はシチリアのカターニャからバーリという、どちらもライアンエア以外は運行していない、マイナーな路線のため、そもそも選択肢がない、というのも利用した理由の1つです。
なお、どちらのフライトも1人7,000円程度の料金でした。
・荷物について
今回は3人で利用して、2人がBasic、1人がPlusの料金で座席を購入いたしました。この荷物が一番もめることが多いと言われていますが、よほど大きそうに見える荷物でない限りは空港のチェックインカウンターや搭乗口でサイズを調べられたり、重さを計られたりすることはないです。
手荷物1つ以外にも例えばポーチのようなものも持ってましたが、追加料金を払えとか、手荷物は1つだけだからバッグの中にしまえとか、うるさく言われることもありませんでした。
1人だけ優先搭乗付きの料金体系で予約していたため、3人全員とも優先搭乗もできました。
・機内サービスについて
機内サービスは基本的にありませんが、ライアンエアは短距離路線が主な航空会社ですので、正直必要性を感じませんでした。
今回のフライトはイタリアの国内線ということもあり、どちらもフライト時間は1時間強くらいでした。
ただし床や座席ポケットについては、ほとんど清掃されていないと思います。床には前の搭乗客が散らかしたゴミやビスケットのカスなどが散乱してましたし、座席ポケットには細かいゴミがありました。
LCCは基本的に定期運行をできる限り順守しようとするため、このような清掃など当たり前のサービスを故意に省く傾向がありますので、この辺については気になるかどうかは個々人の感覚によるかと思います。
なお、偶然かもしれませんが、どちらのフライトも搭乗口から機体へは通常のジャバラ(搭乗口から機体に繋がっている移動式の廊下)ではなく、搭乗口から外に出て歩いて機体に進んでいくタイプでした。ジャバラを使うと航空会社側の費用が高くなってしまうのかもしれません。

④まとめ
今回初めてライアンエアを利用して感じたことは、噂ほどいろいろルールに厳しい航空会社ではない、ということと、これだけ安く、早く、遠くへ移動できるのであれば、今後ももっと色々な路線で利用したいな、と感じました。
結果としては、費用対効果バツグンで何も文句がありませんでした!