スイス有数の交通の要衝フィスプで小休憩

スイス

・ツェルマットへの玄関口だけではない、隠れた交通の要衝を散策
・ツェルマットへの乗り換え駅、Visp(フィスプ)で小休憩はいかが?

※2025年6月時点の情報
※1CHF(スイスフラン)=約185円
※1EUR(ユーロ)=約170円

 スイス国内を電車を活用して移動していると、観光地でもないし、旅行に来るまでは名前すら聞いたこともないけれど、なんだかやたらと何度も通ったり、乗り換えに降りたりする駅があるな、と感じた人もいるのではないでしょうか。
 スイス旅行で地図を見ると直線距離では近いのに、なんだか意外と時間がかかる、なんてことも多いかと思います。どうしても標高の高い山々がたくさんあるので、それらを避ける形で電車網が発展しており、途中途中で乗り継ぎが発生することが多々あります。
 そんな旅行するまでは聞いたこともなかったけれど、旅行中に名前を無意識のうちに覚えてしまう町としては、Spiez(シュピーツ)、Olten(オルテン)、Brig(ブリーク)などが有名ですが、今回はこれらの駅と同じくらい旅行者が通り過ぎたり、乗り換えをしたりしているVisp(フィスプ)の町のご紹介をさせていただきます。

①交通の要衝、フィスプで途中下車

 ツェルマットからマッターホルン・ゴッタート鉄道で70分でフィスプの駅に到着します。ツェルマットからイタリアのミラノへ向かう途中に、今回はランチ休憩も兼ねてフィスプで少しお散歩をいたしました。
 フィスプはバレー州のローヌ谷に位置する交通の要衝です。小さいながらも、ある程度の規模がありそうな駅前の雰囲気です。駅の右側にはポストバスの結構大きなターミナルがあり、いろいろな近郊の町や村に行くことができます。
 駅には小さなカフェがあったり、地下1階には無料のトイレもあります。入り口右にはチケットカウンターがあり、ここでスイス国内のみならず、近隣国へ抜ける国際列車の予約も取ることができます。
 今回はここで、イタリアのミラノ行きの特急のEC(ユーロシティ)の予約を取りました。

フィスプ駅

 駅の近くにはスイスでお世話になるスーパーのCoopやMigroがあり、イタリアに抜ける前に最後のスイスの思い出に少し買い物をしました。
 スイスから一歩出ると買うことができない、スイスの国民的炭酸飲料のリヴェラの赤を買ってイタリアに持って行きました。

スイスの国民的炭酸飲料 リヴェラ

②フィスプの町を散策&郷土料理を堪能!

 駅を出て目の前に真っ直ぐ目抜通りのクレーゲルテン通り(Kleegaerten str)を少し進むと左手に電話ボックスがあるのですが、なんとその中は本棚になっており、どうやら自由に本を借りていっても良いみたいです。

フィフス市内 電話ボックス図書館

 クレーゲルテン通りを少し進むと、途中から坂になっており、そこを登っていくと旧市街に入ります。石畳の道がずっと続いていて、教会なども見えてきます。観光客も多くなく、ゆっくりと散策を楽しみたい方には非常にピッタリなのではないかと思います。
 教会に行く途中の道の左手においしそうな郷土料理のファルシュ・シュネッケン(Falsche Schnecken)の看板が見えてきました。とてもおいしそうだったので看板を出していたスイスバレー州の郷土料理レストラン「Terrasse」でランチ休憩をしました。
 郷土料理のファルシュ・シュネッケン、代表的なスイス料理のラクレット、シーザーサラダと地ビールのアイヒホフ(Eichhof)をいただきました。
 ファルシュ・シュネッケンはエスカルゴの皿のようなたこ焼き状の穴があいた皿にガーリックたっぷりの牛肉を焼いて入れている料理です。ビールに会う味でとてもおいしかったです。

フィスプ郷土料理 Falsche Schnecken
フィスプ地ビール Eichhof
フィスプ郷土料理 Falsche Schnecken
シーザーサラダ

③フィスプから乗る、イタリア ミラノ行きの国際列車「ユーロ・シティ」

 今回は国際列車のEC(ユーロ・シティ)に乗って、イタリアのミラノへ向かいました。2時間半程度でミラノ中央駅に到着します。国境では特にパスポートチェック等もなく、電車に乗っている間に知らないうちにイタリアに入国しているという感じです。
 なんとなく車窓を眺めていると、なんか看板がイタリア語だなー、と思っていたら左手にイタリア北部の湖水地方の美しい景色が流れはじめ、疲れて寝て起きたらミラノについていた、みたいな感じでした。
 スイスの国境まではスイストラベルパスで無料で乗車ができるため、フィスプでチケットを購入した際に、イタリアの国境の駅からミラノ中央駅までの2等車両の乗車料金の27EUR(約4,600円)だけを支払いました。
 実は座席の予約をしなくても、予約の入っていない席であれば自由に座れるのですが、今回乗車した特急はほぼ満席状態でしたので、あらかじめ座席指定も含めた乗車券を購入した方が安心かと思います。
 スイス国内でとことんお世話になった4日間有効なスイストラベルパスは295CHF(約55,000円)ですが、ほぼ1日、少なくとも2日間スイス国内を電車で移動すればすぐに元が取れてしまうかと思います。バスも無料で乗車できますし、観光地や登山鉄道も割引で利用ができますので、物価の高いスイスの旅行の必須アイテムかと思います!

フィスプ発 ミラノ行き 特急EC乗車券
スイストラベルパス
フィスプ駅 電光掲示板
フィスプ駅 ミラノ行き特急 電光掲示板
ミラノ行き 特急 EC

③まとめ

 今回は、多くの人が乗り継ぎだけで通り過ぎてしまう町、フィスプをご紹介しました。このような見落とされがちな町というのはフィスプのみならず、たくさんあるかと思います。
 もちろん次の目的地に早く移動する、というのも正しい選択だと思いますが、時には少し足を止めて、「この町はどんな町なんだろう?」と途中下車の旅を楽しむのも楽しいのではないでしょうか。
 今回は、半日観光で旧市街散歩、郷土料理ランチ、絶品ジェラートを堪能して、満足した気持ちで次の目的地のミラノへ旅立つことができました。
 これからもこのような知られざる小さな町などもご案内していければと思います。